読書狂の冒険は終わらない!/三上延&倉田英之

      2017/04/15

本好き対談本

『ビブリア古書堂の事件手帖』の著者・三上延と、『R.O.D -READ OR DIE-』シリーズの脚本家著・倉田英之によるこの対談本、楽しく読めました。

読書狂の冒険は終わらない! (集英社新書)読書狂の冒険は終わらない! (集英社新書)

もちろん、私の読書量は、彼らの100分の1にも満たないとは思うし、ホラー小説や、『銀河英雄伝説』や『グインサーガ』のような日本の長編小説に関しては全くの門外漢である私ですから、章によっては、何を話しているかサッパリ……というところもあるにはありました。

しかし、このお二人と私は世代が近いせいもあって、痒いところの趣味や経験が重なるんですよね。

そこが読んでいて楽しいというか、まるで同級生の読書話に参加しているような感覚に陥ることが出来ました。

子どもが目を輝かせる「怪しい本」

たとえば、ポプラ社の江戸川乱歩シリーズとか、学研のジュニアチャンピオンシリーズや、立風書房のジャガーバックスとか。

子どもが持つ好奇心と、怖いもの見たさをくすぐる「怪しい(?)本」に関しての話題などは、ワクワクしながら夢中になって読んでいた小学生の頃を思い出しました。

そうそう、この本では言及されていなかったけれども、私の場合はケイブンシャの束が分厚いシリーズや、小学館の「なんとか入門」シリーズも随分読んでいました。

主にロボットや怪獣もの中心でしたけれども。これらの本は、夜中に布団の懐中電灯をつけてよく読んでいました。

おかげで、無駄に怪獣やロボットの知識がついてしまい現在に至ってます。

やっぱりこの手の本に夢中に成っていた小学生って当時は多かったんですね。

なんだか懐かしいやら嬉しいやらな気分が蘇ってきましたね。

角川映画

あと、角川映画に関しての章も、懐かしさを感じましたね。

私はそれほど角川映画に夢中だったわけではないし、3人の角川「看板娘」(薬師丸ひろ子、原田知世、渡辺典子)のファンというわけではなかったけれども、親父が仕事の関係か何かで、いつも角川映画のチケットをもらって帰ってきていたので、そのチケットで友達を誘って結構角川映画は見に行っていたものです。

なので、お二人が話題の俎上に載せていた角川映画の話を読んでいると、当時の80年代の楽しい空気を思い出しました。

なんでもやっちゃえ的な勢いは確かにあの頃の角川映画にはあった。

そして、書店の店頭を映画と連動して派手派手しく飾っていたPOPやポスターも懐かしい。
映画の公開が決まると、原作本は表紙のカバーや帯がどんどん変わっていきましたからね。

そういうことが繰り返されている時の書店って、基本静かな環境ではあるんだけれども、紙と印刷が賑やかな感じがして、書店に行くのが楽しみでした。

もっとも、私の場合はカバーやオビが変わったからといって同じ本を買い直したりはしなかったけれども、著者のお二人は、同じ本の別バージョンを何冊も買っている。

そのあたりのマニア度が凄いですし、私に足りないのは「全部持ってやろう」というようなコレクター欲と熱意のようなものなんだろうなぁと思いました。

禁断症状

それから、夜中に長編シリーズ物を読み終わった際、続刊を買っていなかったがために、続きを読みたい禁断症状を抑えることができなかったという気持ち、「わかるわかる!」でしたね。

私の場合、続きが気になって早く続刊を読みたいと思った本ってなんだったけかな?
読み終わってしまうと、安心して案外忘れてしまうものですが、現時点で思い出したのは、コミックではあるのですが、『エリア88』かな。

この漫画の存在を知ったのが14巻が発売されている頃だったのですが、最初から読んでみようと1巻を読みだしたら、もう止まらない、止まらない。
1冊ごとにチョボチョボと買っていたのですが、それどころではなくなり、夜中に7巻か8巻を読み終えた頃、早く次の巻を読みたくて、翌日の中学校をサボって早く本屋に行きたいと思ったものです。
当然、授業中は上の空。早く放課後にならないかと思ったものです。

この『読書狂の冒険は終わらない!』は、一つの作品に対して、このような気持ちになったことがある人にはオススメな本であることは間違いないでしょう、

本好きの二人による対談ではありますが、まるで、自分自信もその楽しい会話に混ぜてもらっているような、そんな気分にさせてくれる本でした。

記:2014/11/07

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