T-Pablowのインタビューが印象的な『日本語ラップ・インタビューズ』

   

個人的には本書の222ページ。
これに尽きる。

この箇所を読めただけでも読んだ甲斐があったね。

日本語ラップ・インタビューズ

T-Pablowのインタビューの章の一部分だが、ここに若い日本のヒップホップ世代の矜持のようなものを見た。

「まえがき」でも指摘されていたことではあるが、川崎育ちのバッドな生き様そのものを「売り」にすることだって充分に可能なT-Pablowだが、彼のストイックで、きわめてまっとうな「音楽屋」としての意識を垣間見ることが出来た。

「フリー・スタイルダンジョン」の元モンスター時代から受けるイメージとは異なる、ストイック過ぎるくらい真摯、かつ音楽そのもので勝負したいという彼の意気込みが、言葉の断片からはいくつも受け取ることが出来る。

本書は、いとうせいこう、Zeebra、般若、漢 a.k.a. GAMI×ANARCHY、KOHH、MARIA、T-Pablowと、日本のヒップホップの第一人者からシーンを牽引している者、そして新しい世代のラッパーと、様々なラッパー達のインタビューがまとめられており、それぞれのインタビュー内容には興味深いものがあったが(特に、いとうせいこうの章は、知っている曲やグループが多数出てきているので懐かしさを覚えた)、やっぱりラストをキメたT-Pablowのインタビューが個人的には一番刺さったね。

記:2018/04/27

 -