カフェモンマルトル

text:高野雲

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ハワイで読了『嫌われ松子の一生』

      2015/05/31

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purumeria

ハワイへ行ってきました。

行きの飛行機で『嫌われ松子の一生』の上巻を読み始めたら、結構面白い。

嫌われ松子の一生 (上) (幻冬舎文庫)嫌われ松子の一生 (上) (幻冬舎文庫)

ものすごく面白い!と手放しに絶賛できる面白さではないのですが、飛行機に長時間揺られながら読むのに相応しい温度と手ごたえ(難解すぎず、飽きもしない)の内容なのです。

で、続きも気になるので、下巻のほうも、到着したホテルで読み始めました。

嫌われ松子の一生 (下) (幻冬舎文庫)嫌われ松子の一生 (下) (幻冬舎文庫)

ちょうどテラスでビーチを見下ろしながら、波の音をBGMにしてあまり深いことを考えずにパラパラとページをめくるに相応しい内容なのです。

だから、気付くと読み終わっていました。

どうしようもなく不器用で、シャレにならないほどの転落人生を歩んだ主人公・川尻松子の一生。

あまりのシャレにならなさっぷりに、映画ではどのようにアレンジされているのかという興味が働き、今日は映画のほうも観てきました。

あのキッチュでスピード感のある『下妻物語』の監督の作品なだけあって、予想通り悪趣味一歩手前のきわどさで疾走する映画でした(このスピード感も後半はやや失速気味ではあったが)。

原作のディテールもうまく省略され、作品を映画として面白くするための脚色や新設定も、まぁ悪くないんじゃないの?な感じでした。

先述したとおり、ほんと、転落に転落のつぐシャレにならないほど惨めな一生なのに、どこかポジティブな活力に溢れているのは何故でしょう?

もちろん、笑いの要素をふんだんに盛り込んだ監督の独特のセンスに負うところも大きいでしょう。

あとは、きっと彼女が女性だからということも大きいと思う。

同じ内容で男が主人公の物語だと、どこかハードボイルドっぽい言い訳が用意されたり、あるいは陰惨なダメ男な話に終始してしまいそうだから。

とにもかくにも、本も映画もお薦めですよ、『嫌われ松子』。

嫌われ松子の一生 通常版 [DVD]嫌われ松子の一生 通常版 [DVD]

そういえば、中谷美紀は映画で力演してましたが、他の女優が松子を演じても面白いかな、と思った。

べつに、中谷美紀が松子を演じたことに対しての不満からではありません。

これはこれで、ひとつのキャスティングの正解でしょう。

しかし、中谷美紀の松子像は一つの可能性として非常に興味深く面白い出来となっていましたが、松子の役は中谷美紀じゃなきゃあり得なかったという類のものでもありません。

おそらく読者の想像する松子って読者の数だけあると思うのです。

寺島しのぶが松子を演じたら?(晩年になればなるほどハマりそう)

伊東美咲が演じたら?(「危険なアネキ」を彷彿とさせる能天気であっけらかんとした内容になるのかな?)

仲間由紀恵が演じたら?(「功名が辻」の一途さと、「トリック」のゆるいギャグがブレンドされたアフタービートな緩いギャグ調になる?)

小雪だったら?(甥の想像の中ではミステリアスな存在感がアップしそうだな)
黒木瞳が松子だったら?(うーん、ソフトな内容になりそうだなぁ)

井川遥だったら男に殴られたときの表情がそそりそうだなとか、宮沢りえだったら薄幸さに拍車がかかって、シャレではすまない内容になりそうだなとか、親友のAV社長が高島礼子だったら?とか、

今現在、妄想の中で、様々な女優に松子を演じさせて楽しんでいます(笑)。

何年か経た後、違う監督と違う女優による松子も観てみたい。

案外、すぐにテレビ化されたりしてね(笑)。

記:2006/06/28

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