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コンチェルト・フォー・ドラムス/ルイ・ベルソン

コンチェルト・フォー・ドラムス/ルイ・ベルソン


Concerto for Drums

輝かしいキャリア

ビッグバンドの華ともいえる白人ドラムのヒーローは、ジーン・クルーパ、もしくは(同時に)バディ・リッチを思い浮かべる人が多いと思う。

たしかにその通りなんだけれども、ルイ・ベルソンを忘れてはいませんか?

彼も、まさに上記2人と肩を並べる存在。まさしく、ドラムを叩くために生まれてきた男なのだ。

ルイ・ベルソンは、3歳でドラムを始めたそうだ。
15歳の時に、なんとツーバス(バスドラムを2台)のドラムセットを考え出したという。
いまや、メタルやハードロックなどでは、当たり前のセッティングともいえるツーバス。まさかこれを考案したのが、アメリカの15歳の少年だったとは誰もが驚くのではないだろうか。

そして、17歳の時に参加者が4万人のジーン・クルーパ・コンテストで優勝。

そして19歳の時にベニーグッドマン楽団に参加。

さらに、デューク・エリントン楽団や、カウント・ベイシー楽団にも参加しドラムを叩いている。

なんたる輝かしいキャリア。

そんな彼を代表するアルバムが、『コンチェルト・フォー・ドラムス』というタイトルで知られている『ルイ・ベルソン・カルテット』だ。

考えられた選曲、構成

このアルバムでは、きっとジャケットからも連想されるとおり、ベルソンの鮮やかなテクニックを楽しめるアルバムではあるが、だからといって、決してテクニックをひけらかす内容には陥っていない。

むろんドラマーがリーダーということもあり、一曲目の《コンチェルト・フォー・ドラムス》は、目も覚めるようなドラムソロのナンバーではあるが、派手な要素は、すべてアルバムの冒頭に集約してみました、という感じ。
「これだけ凄いドラマーだということは、もう分かったでしょ? でも、すべての曲がドラムぱかぱかだとさすがに飽きるよね? だからこの曲以降は、彼のテクニックはもちろんだけれども、それ以上に音楽を、演奏を楽しんでね」という配慮が感じられる。

2曲目の《ベイシカリー・スピーキング・デュヴィヴィエ・ザット・イズ》は、タイトル通り、本アルバムで共演しているベーシスト、ジョージ・デュヴィヴィエ作曲のナンバーで、彼のベースをフィーチャーするアレンジとなっている。

オーソドックスなベースプレイながら、しっかりとした演奏の骨格を形作るジョージ・デュヴィヴィエというベーシストをプレゼンテーションするに相応しいナンバーだ。

1曲目はドラム中心、2曲目はベース中心。
そして、3曲目からはいよいよ、ズート・シムズ(ts)や、チャーリー・シェイヴァーズ(tp)らを擁したコンボの演奏が始まる。

ドラム、ベースと2曲を使ってリズムセクションの自己紹介を終えて、さあ3曲目からこの素晴らしいリズムセクションのお仕事を披露いたしましょう、きっとそういう流れを構成しているのだろう。

以降のナンバーは、ドラムもベースも必要以上にしゃしゃり出ることなく、アンサンブルを支えつつも鼓舞することに専念しているが、聴き手は、アルバム冒頭にて華麗なるテクニックを存分に堪能した上で聴いているため、かえって控えめにすら感じるベルソンのドラミングには好感を持つことが出来る。

派手にやろうと思えばいくらでも派手に出来るにもかかわらず、あくまでも自己主張よりもアンサンブル中心に演奏を組み立てているのだなと、ベルソンのリーダーぶりと音楽性の高さを自然に理解する流れとなる。

とにかく、竹を割ったように明快かつ鮮やかなドラムを楽しめるとともに、元気が出るアンサンブルを心行くまで堪能できる好盤であることは間違いない。

いつになく高音域で吹いているような気がするズート・シムズの汗をかいているようなテナーサックスのプレイも印象的だ。

記:2019/06/27

album data

CONCERTO FOR DRUMS (Norgran)
– Louis Bellson

1.Concerto For Drums
2.Basically Speaking,Duvivier,That Is
3.Love for Sale
4.The Man I Love
5.Charlie’s Blues
6.I’ll Remember April
7.Buffalo Joe
8.Stompin’ At The Savoy

Louis Bellson (ds)
Charlie Shavers (tp)
Zoot Sims (ts)
Don Abney (p)
George Duvivier (b)

1954/06/21

YouTube

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