コケティッシュ・ブルー/飯島真理

   

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ピアノで弾いてた《悲しいバレンタイン》

これから、息子が習っているヤマハ音楽教室に行くんだけど、その前に息子が弾く課題曲のチェックをしていました。

あいかわらず、ちょっと油断するとスタッカートで早いテンポで弾こうとするクセは抜けませんが、曲の雰囲気に合わせて、自分で最適なテンポを考えて、最適なアーティキュレーションで弾けよ、音の合ってる間違ってる以上にそちらのほうが大事なんだからなぁ、マイルスを見習えみたいなことを教えて、ちょこっと休憩がてら息子をおつかいに出しました。

息子が外に出ている間、ふと、蓋の開いたピアノを弾いてみました。久しぶり。

何を考えることもなしに指が勝手に弾きだした曲は《悲しいバレンタイン》。

飯島真理の『コケティッシュ・ブルー』に収録されている曲ですね。


Coquettish Blue

この時期の飯島真理の曲は、メジャー7thが多用されている。

このアレンジ上ではリズミックだったり、ミディアムハイなテンポだったりしても、ピアノ一本で弾いてみると、けっこうシンミリとした情感を湛えた曲が多い。

ちなみに、私はこのアルバムの《Baby,Please Me》のシンプルなエレピのバッキングと音色が大好きなんですが、このナンバーもドラムが抜けて、テンポを落とせば、かなりシンミリした曲になりそう。

他のアルバムにも、この類いのナンバーは、必ず収録されているように感じますね。

たとえば、『キモノ・ステレオ』の《ピンクのルージュ》なんて、悲しさを強がっているほど恥ずかしいほどアケッピロゲなファンキービートなんだけど、これをピアノでゆったりと弾いてみると、あらま、とてもしみじみした曲じゃないの。歌詞の世界が納得!って感じであります。

《悲しいバレンタイン》も同様ですね。

元気だけれども、100パーセント元気じゃないしみじみさが漂っている。

学生時代、ジャズ研にいた私は、誰もいなくなった音楽室でコッソリ&シンミリ弾いていたものです。
だって、恥ずかしいじゃない? 一人じゃないと(笑)。

ポップなだけではなく、そこはかとなくしおらしい側面も魅せる飯島真理の曲を、吉田美奈子のプロデュースで、ダークかつミステリアスな世界で彩った『ブランシュ』も久々に聴きたくなった。

2枚目のアルバム。坂本龍一プロデュースの1枚目『ロゼ』とは対極の世界。派手さ、虚飾は一切はいしたモノトーンで力強い世界。

《ミスター・グルーヴィ》でほっと一息。

中学生の頃のオレは、この歌の主人公のようなオトナになりなかった(照笑)。

というわけで、久々に飯島真理を聴きながら書いてみました。

記:2006/10/07(from「趣味?ジャズと子育てです」)

浅草ROXでのミニライブ

そういえば『コケティッシュ・ブルー』で思い出したんだけど、先日、大掃除で机の引き出しの奥のほうを整理していたら、こんなもんが出てきやんした。

浅草ROXのスタジオで開かれた『コケティッシュ・ブルー』発売記念のミニライブのチケットね。

午後4時からとなっております。

友達連れていったな~。懐かしい。

たぶんそのときのMCで言ってたんだと思うんだけど、このアルバムに収録されている《テレフォン!》という曲があるんだけど、この冒頭に「ほにゃほにゃほにゃ」とよく聞き取れない女性の声があるんだけど、この声の主は飯島真理さんの友人で、電話の声を録音したいといったら「何に録音されるのかな?」と話しており、その時の声をそのまま曲のイントロに使ったのこと。

なぜ? 曲数減って流れが台無し!

ちなみに、最近発売されているバージョンは、曲の数が減っているので注意!

このリニューアルというか再発されたCDは、なぜか大村憲司がプロデュース&ギターで参加したテレビのクイズ番組かバラエティ番組か何かに使われた《People! People! People!》がカットされているのだ。

さらに、このアルバムの流れの中ではいよいよ後半戦に突入する前の箸休めとしては最適なナンバーの《今は……》もカットされている。

なぜなのだ?

過去の流れに慣れている者としては、あの感動的な《ガイ・ベネットの肖像》の後にいきなり《悲しいバレンタイン》では悲しすぎるぞ。

というわけで、これから聴こうと思っている人は、どうせならフルで収録されているバージョンを選びましょう。

album data

COQUETTISH BLUE
- 飯島真理

1.I feel blue
2.Baby,Please Me
3.Crime
4.Telephone!
5.ガイ・ベネットの肖像
6.People! People! People!
7.今は……
8.悲しいバレンタイン
9.雨のStrawberryfarm
10.元気でね

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