天ぷら蕎麦

   

tempurasoba

単なる私の思い込みかもしれない。

立ち食い蕎麦の汁の温度は、蕎麦屋の蕎麦の汁の温度よりぬるい。

のではないか?

……となんとなく思っている。

特に、海老天、いか天、かき揚げ天といった、天ぷら関係がトッピングされている蕎麦の温度は、蕎麦屋のほうが熱く、おいしく感じることが多い。

だから、私は立ち食い蕎麦屋では、滅多に天ぷらがトッピングされている蕎麦をオーダーすることはない。

と、ここまで書きながら気がついた。

そうか、立ち食い蕎麦屋の場合は、天ぷらを大量に“作り置き”をしているからか。

天ぷらが出来たてのタイミングで入店出来ればラッキーだが、たいていの立ち食い蕎麦屋の天ぷら関係の食材は作り置きしている場合が多い。

冷めて、くたびれた衣の天ぷらを、ゆがいた蕎麦の上に乗せ、再び「熱く甦れ!」とばかりに、蕎麦つゆを注がれる作り置き天ぷら。

これじゃあ、ドンブリ全体の温度を下げるのも当たり前か。

しかし、それだけではなく、客の回転率を上げるために、つゆは少し温めにしておき、客が手早く喰い終え、早く店から出ていって欲しい、そういった、店側からの意図的なつゆの温度設定というものがあるのかもしれない。

よくは分からないけど。

そういえば、朝の立ち食い蕎麦屋のセットに凝っていた時期があった。

「天ぷら蕎麦+いなり寿司+ゆで卵」で350円前後のセットを出していた店が近所にあったのだ。

ここの立ち食い蕎麦屋で、朝に食べる天ぷら蕎麦は、いつ食べても、とてもおいしかった記憶がある。

よくよく考えてみると、蕎麦の温度が熱かったからだ。

そう、揚げたての天ぷらに「じゅーっ!」とばかりにしるをかけて出来上がる「朝の天ぷら蕎麦」はおいしい。

だから、ハマッて毎朝食べてから出勤していたのかもしれない。

おいしい天ぷら蕎麦を食べたければ、狙い目は朝方なのかもしれない。

記:2002/03/12

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