六本木のキャバクラで5時間ねばった

      2018/08/13

ことがあるんだけど(笑)、
あ、昔の話ね。

世はかつてのITバブルの頃。

ITのみならず、日経平均も当時は高かったから、主婦でも株をやっている人が多かった時代。
書店に行けば、投資の雑誌や書籍がわんさかと山積みされていましたね、数年前は。

デイトレーダーとか、スイングトレーダーとか、携帯を駆使して投資をするケイトレーダーとか、そういう言葉が出始めた頃。

で、話しを戻して、なぜ、私がキャバクラで粘ったのかというと、べつにキャバ嬢とアフターしたいとか、そういう下心のためではなく、リサーチのためですっ!(笑)

何のリサーチかというと、「男心」のリサーチです。

男心のリサーチ

え? 女心じゃなくて?

そうなんです、キャバクラに来る男の心のリサーチ。

といっても、仕事に直接つながる調査ではなく、100パーセント個人的興味からだったので、当然出費は全部自腹だったんだけど、ああ、金かかったな~(涙)。

15~30分おきにとっかえひっかえやってくるキャバ嬢(キャストというそうです)との会話もそっちのけで、ダンボになった私の耳は、周囲の男性客の会話に意識が集中しまくり。

世はITバブルはなやかりし時代だったし、ヒルズのある六本木という地域性ということもあるんだけれども、お客の多くは、私の想像以上に若いビジネスマンが多かった。

で、彼らには悪いけれども、会話の内容に聴き耳を立てて、断片的ですが色々とお話を聴かせてもらいました(笑)。

さらに、キャバ嬢(キャスト)に「あの人誰?」と質問すると、「じつは何とかという会社のなんとかさんで、仕事は何やってて年収がいくらぐらいで~」みたいな情報を気軽に教えてくれる(笑)。

そんなふうに情報収集しているうちに、自分なりの収穫というか、気づきはありました。

キーワードは、「マズローの5段階欲求」です(笑)。

自己承認の欲求

マズローの欲求説は、学校で習った人も多いだろうし、多くのビジネス書にも書いてあることだから、ご存じの方も多いと思います。

1.生理的欲求
2.安全に対する欲求
3.愛情の欲求
4.尊重(自尊)の欲求
5.自己実現の欲求

ですね。

下に行くほど、高度な欲求になります。

で、キャバクラに来る男の人たちって、4番目の自尊欲求を満たしにくるの客が多いのではないのか、と。

最初、私はキャバクラにやってくる男性客はキャバ嬢を口説くことが目当てな人ばかりだと思っていた。

もちろんそういう人も多いでしょう。

それは、「1」の生理的欲求に基づく行動ね。
あるいは「3」の愛情欲求かもしれない。

でも、下半身の欲求を満たすだけならば、キャバクラに払う額と同額か、それ以下の金額で風俗に行けばいいわけで、キャバクラに来る以上は、それとは違う「なにか他の欲求」があるのでは?と思ったのですよ。

すると、多くの男の話題は「仕事」か「お金」の話だった。

仕事がうまくいったり、お金儲けができたら、黙ってニヒヒヒとほくそ笑めばいいのだろうけど、どうも違うんだよね。

男の仕事が完結する時

男は頑張って働く。

たとえば、会社の社長さん。
考え、働き、社員を叱咤し、会社の業績も上向きになってきた。

しかし、「男の仕事」は、ここが最終到達点ではないんですね~。

他人に「認めてもらう」「褒めてもらう」「苦労を聞いてもらう」などの出来事があって、はじめて完結するのです。

同様に株などで儲けた人も同様。
特にデイトレーダーは、午後3時までは、パソコンのモニター(人によっては複数のモニター)と睨めっこしっぱなし。
日夜、長時間の孤独な作業が続くわけで。

その過程で、優秀なデイトレーダーは大儲けをするわけだけど、「やったぜ、大金をつかんだぜ!」と一人で部屋の中で小躍りするだけでは完結しないのね。

だから、自分の投資パフォーマンスをペラペラとキャバ嬢に喋っちゃうんです(笑)。

ブログに「本日のパフォーマンス」と書き、読者から「すごすぎ~!」ってコメントをもらって喜んでいる人も当時は多かったけど、やっぱり、リアル世界で自分の話を聞いてもらいたい人もいるんですよね。

モニター上の文字ではなく、現実世界の言葉で「すごいですね」と言ってもらいたい。
そして、「そうなんだ、俺ってすごいんだ」と自分で自分を思いたい。

自己実現の後に尊重の欲求

人に認められ、人に褒められ、「俺はすごいんだ」「俺も捨てたもんじゃない」と思うことによって、はじめて、今までの苦労が報われる。

今までの自分の仕事の価値を確認できる。

だから、キャバクラで聞き耳を立てているかぎりでは、

4.尊重(自尊)の欲求⇒5.自己実現の欲求

の順番は逆なんじゃないかと思ったほど。

つまり、仕事で自己実現をしてから、その結果を尊重してもらうというプロセス。

いずれにしても、マズローの4と5の欲求を満たしてこそ、男って「うん、俺ってすごいな」と自信が出、明日の仕事への活力になるわけだ、と思ったわけです。

キャバ止め術!褒めてください男性を

だから、女性のみなさん。

結婚している人は、旦那さんの話をたくさん聞いてあげよう。
彼氏がいる人は、彼氏の愚痴や自慢を身を乗り出して聞いてあげよう。

聞いてあげるだけではダメで、褒めてあげよう。

露骨に褒めると「お前、俺をバカにしてんのか!」と逆ギレする人種もいるので(実際にそういう現場も目撃しました)、褒め方はケースバイケースで、相手の性格を読む必要はありますが、無理して褒めなくても、「うん、うん」と聞いてあげて、たまにコメントや相槌を打ってあげるだけでも、かなりオトコの自尊の欲求は満たされます。

これぞ、お手軽でお金のかからない、彼氏をキャバクラに行かせないための「キャバ止め術」です(笑)。

というか、そのような聴き上手で立てるのがうまい伴侶がいる男性は、キャバクラにはいかないと思います。

仕事上のお付き合いで行くことはあるかもしれないけど。

ちなみに、私なんかは単純だから、ちょっと褒められるだけで俄然パワーが湧いてくる超単純男です。

しかも女性だけではなく、男性からも「へぇ、すごいじゃないですか」と言われるだけで、もう鼻血が出るほど、体内からパワーがプシューっ!と力が湧き出てくることもあります(笑)。

やっぱ、人間褒められたいのだな、と。

そういうことを実感できただけでも、「キャバ散財」した甲斐はあったのかな。
……と思うようにしたい(笑)。

ああ、あのときは結構とられたな~(涙)

記:2009/05/10

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