東京大地震 立体駐車場から落下した我が家のベンツ

      2019/07/19

首都圏 震度5

2005年7月23日、午後4時半頃、震度5で首都圏をぐらぐらぐらぁ~!と地震が直撃しましたね。

翌日の新聞やテレビが、「こんなにスゴい地震だったんだよー!」ということをビジュアルで分かりやすく説明するのに格好な映像(写真)を使っていましたね。

そうです。

ひっくり返った青い車。

blue_car
YAHOOニュース(時事通信)より

コレ、じつはうちのクルマなんです(笑)。

地震で落下

うちの親所有のベンツ。

写っている白髪の人はうちの親父じゃないけど。駐車場の管理人さんかな?

立体駐車場の最上階(7Fぐらいの高さかな?)からズットーン!!と落下したから、写真のとおり、ペシャンコになっちゃったんですね。

地震の揺れであんなにペチャンコになったわけではなく、落下してペチャンコになったわけなんです(ま、地震の揺れで落下したわけだけど)。

その日は、TVや新聞社がかけつけて大変だったらしいですねぇ。

ま、地震の激しさを強調するには、格好の絵素材ですからね。

この地震に関しては、街や店が揺れている映像はたくさん放映されていましたが、幸い地震があった時刻は、火をあまり使わない時間帯だったんですね。

だから火災はなく、ダメージをくらったモノの映像ってじつはあまり無かったんじゃないかと思います。

そんな中、ひっくり返ったクルマというのは、絵的には格好な素材だったのでしょうね、マスコミにとっては。

地震の揺れのヒドさを象徴する「絵」になってしまったわけです、ウチの両親のクルマは。

ベンツに踏まれた

じつは、私、数年前に、このクルマに踏まれたことがあるんです。

下町のものすごく狭い路地で、運転のヘタクソな親父を「オーライ、オーライ」と誘導していたら、このクルマ、私の足に突っ込んできた。

私の足の上にタイヤが乗っかっちゃったんです。 私は電信柱を背にしていたから、まったく身動きがとれない。

車のタイヤは私の上に乗っかったまま、車もうまく身動きが取れない状態が続いた。

痛かったなぁ。

そのときの私は、下駄を履いていたから、タイヤが乗っかっている部分って、生足じゃないですか?

私の足の皮膚の上に、総重量1650kg(1.6t!)のベンツのEクラスが乗っかったまま、30秒以上立ち往生してたんっすよ!

下町の狭い十字路に電信柱が立っていたので、前進もバックも出来ない状態のまま、立ち往生。

つまり、私の生足を踏んづけたまま、しばらく静止していたんですわ。

なんとか、窮地は脱したものの、そして幸いなことに、私の足はタイヤの跡が付いただけで、特に骨も皮も怪我はしなかったものの(おかげで“戦車”と呼ばれてしまった)、きっと、私の足を踏みつけた祟りが、このようなカタチになったのでしょう(笑)。

……というのは冗談ですが、しかし、車の大破に関しては、保険が降りるし、 両親は、もしかしたら家族に降りかかるはずの災厄を、家のクルマが身代わりになって引き受けたと考えれば、逆に有難いことではないか、と前向きにとらえているようです。

ラブホに避難

この日の地震の後はしばらく、東京以外にお住まいの方からは心配の連絡をいただきましたが、私はいたってぜーんぜん大丈夫でした。

地震が起きたとき、私はどこで何をしていたのかというと、渋谷のイタ飯屋で、遅い昼飯がてらのコースを食べ終わるころでした。

女子大生とシャンパン飲んで、ワインを空け、食後酒を飲んでいたところなので、地震が来た瞬間は、あれ? 今日は酔いが回るのが早いなぁ、などとノンキなことを言ってました(笑)。

しかし、背後で、ちゃりーん!とグラスの割れる音がし、「うぉぉぉ!」と男性の雄たけびが聞こえたので、なんだ?と思って後ろを振り返ったら、地震恐怖症っぽいオッサンが、テーブルの下にブルブル震えながら避難していた(笑)。

グラスが割れたのは揺れではなく、オッサンがテーブルの下に潜るときに落としたからなんですね。

電車がストップしてしまったようなので、復活するまで、近くのラブホに非難して、テレビのニュース番組を付けっぱなしにして、逐一情報をチェック。

山手線や京浜東北線などが復活するタイミングを待っていました。

なにしろ、その子、海外の大学に通っていて、翌日の朝早くには空港に行かなければならなかったのです。

だから、余計な混雑やホームでの放置プレイなど「待ち」のストレスを感じさせたくなかったのですね。

なので、確実に、かつスムースに帰れるという状況になるまでは、マッタリとベッドに寝転がりながら、復旧状況を逐一テレビで確認をしながらマッタリと過ごしていました。

あ、もちろん、男女の地震ごっこのようなことはいたしておりませんからね。

あくまで、緊急避難かつ情報収集にもっとも適切で、もっとも近い場所を選んだ結果がラブホだっただけです。

まったりと寛ぎながら路線情報をチェックするほうが、駅の構内やホームで立ちっぱなしでら「まだ動かないのか」「早よ動けよ、電車」なんてイライラするよりは数倍マシですからね。

で、情報チェックしながら、なんとか電車が動きはじめたであろうタイミングをみはからって駅へ。

それでも、帰途につくと交通は麻痺していていましたね。

完全復旧にはいたっていなかった。

でも、いろいろな電車を乗り継げて楽しかったですね。

その日の帰りは、なぜかフットワークが軽かったのです。

もちろん、女子大生とデートしていたからということもあるのでしょうが、それ以上に、たぶん下駄を履いていなかったからだと思います。

下駄はやっぱり階段の多い移動があると疲れるからね。

その日の私は、なぜかナイキのジョギング用のシューズを履いていたので、足が軽いのなんの。

足が軽いと、足取りが軽くなり、足取りが軽くなると気分も晴れ晴れしてくるんだなぁと思いました。周囲の状況に関係なく。

たくさん歩くと、お腹も減るわけで、駅のホームでカレーや蕎麦を食べ、帰宅後は、ポテトチップスとかき氷を食べました。

いろいろなお菓子をつまみ食いしながら、次々に報道される地震の被害状況をぼーっとテレビで観ていた次第。

ちなみに、その後の両親はちゃっかり、もっといいクラスのベンツを手に入れたようです(笑)。

記:2005/07/26

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