カフェモンマルトル

text:高野雲

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ジャズとモテは関係ない。

      2015/10/19

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「ボクは小学生から高校時代まで、ずっとイジめられていた。だけども、家に帰れば、ジャズがあった。ジャズさえ聴いていれば、ボクをいじめている奴らに対して“おまえら、こんな素晴らしい音楽のこと知らないだろう。ざまあみろ”と思えたから、なんとかイジメにも耐えられたんだ……。」

学生時代、時折、音楽室に出入りしていた社会人ドラマーがこぼした言葉だ。

彼とは妙にウマがあい、呑みに連れてってもらったりしたこもある。

そのときは必ず、上記のごとく過去の暗い話とジャズの話題になったものだ。

正直、そのおじさんはモテなかった。

「ジャズを聴いていれば、いつか彼女が出来ると思って、たくさんのレコードを聴いたり、曲やジャズマンの名前を暗記したんだ。でも、ちっともモテやしない。絶対におかしい、世の中おかしいよ」

いや、世の中がおかしいのではなく、そのオジサンの努力の方向がおかしいのだ。

口には出さなかったけれどもね……。

数年後、私は結婚することになった。

2次会は六本木のジャズクラブを借り切ったので、その際、そのおじさんにドラムを叩いてもらおうと招待状を出したのだが、来た返事は、「こないだ彼女にふられたんで、人の幸福を祝う気持ちにはとてもなれません。あしからず」だった。

……人生いろいろ(・∀・)b

記:2005/04/05

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