カフェモンマルトル

ジャズと映画と本の日々:高野雲

キン肉マンというノスタルジー

      2017/05/25

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kasenjiki

text:山彦

キン肉マン

諸君、『キン肉マン』をご存じだろうか。

現在連載されているマンガに対して「ご存じだろうか」は失礼かもしれないが。

しかし私にとっては――
いや多くの「元少年」にとってはそうではない。
『キン肉マン』はいちど「過去」になった。



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カニベース

まあ「過去」というのは言い過ぎかもしれない。
ではこう言い直そう。

「完結した」のだ。

しかし、それが二度くつがえされた。

一度目は『キン肉マン二世』によって。

二度目は『キン肉マン』の再開によって。

もちろん嬉しい。

私は『キン肉マン』のファンだ。マンガも全巻集めたし、その後に出た『超人大全』も買って超人強度まで憶えた。

「知ってるか? カニベースの超人強度は2なんだぜ?」

それがいつしか私の口癖になっていた。

「2」という数字がいかに凄まじい数字か、一部の方にはお分かりいただけないかもしれない。

カニベースの次いで超人強度の高い超人はルピンで、彼は1万パワーある。

「万」だ、「万」がつく。

カニベースは以外はみんな万単位だ。カニベースだけ「2」。

カニだからと言ってそれでいいのか。

話を戻そう。

正直、「完結」していただきたかった。

しかしこれはマンガのせいではない。私の個人的な経験による。

『キン肉マン』が完結してから数年が経ったころ、しかし私はその「完結」を受け入れられず、まだ現役のつもりでいた。そう、いつまでも引退しないプロレスラーのように。

ある若い女性と初めて顔を合わせた際、私はこう自己紹介した。

「山彦(仮名)です。好きな超人はロビンマスクです」

本当は悪魔将軍が好きなのに、女の子の前だからとカッコつけてしまった。

問題はしかしそこではない。

彼女は「超人」と言われてもニーチェしか分からない世代なのだ。平成生まれだった。

彼女は言った。

「ロビンマスクってなんですか?」

私はひどく赤面した。

以来、私の中で『キン肉マン』は完結した。

ほろ苦い記憶とともに。

あと二世は無闇にグロくて途中で読むのをやめた。

記:2014/10/14

text by

●山彦
自称小説家。実際はプログラマ。
おもに自宅を警備中。
『キン肉マン』が好きです。
牛丼も好きです。
90年代の亡霊。

 - 雑想 雑記

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