カフェモンマルトル

text:高野雲

*

雑誌作りのプロセスを教えたら「オレも本を作ってみたい」

      2016/05/03

bunbougu

先日、息子は紙を使って本を作ったり工作をすることに夢中だという話を書きました。

なぜ、そうなったのか、思い出しました。
息子は、なんと私の仕事の真似をしていたのです。

私は出版社勤めですが、息子が生まれた頃は、広告・宣伝の仕事、息子が物心がついた頃は、雑誌の編集の仕事をするようになりました。

おそらく物心がつく前から、私は息子に作品や、作品になる前の素材、作品になるまでのプロセスを見せていたんです。今、思い返すと。

スタジオで撮影したタレントやモデルのポラやポジ、取材したときに撮影したデジカメの画像などを、家で確認したり、ラフなどを書いている私の姿を
息子はおそらく、見ることなしに見ていたのでしょう。

ときには、息子が興味を持ちそうな特撮やアニメの借りポジを家に持ち帰り、「この写真が、このように印刷されるんだよ」と、写真素材と、出来上がった雑誌の誌面を見せていたので、息子は息子なりに、本が出来るプロセスがよく分からないなりにも興味を抱いていたのかもしれません。

決定打となったのは、おそらく、モデルとして息子を使ったときあたりだと思います。

モデル代や撮影費の予算がとれずに、安く仕上げなければならないページだったので、少しでも予算を浮かすために、うちの息子をモデルにして、私が撮影を担当した記事を昨年作ったことがありました。

公園で、さまざまなポーズや表情をさせて、数十枚ほど撮影します。

家に帰って、デジカメのデータをパソコンに落とし、さきほど撮影した画像をみながら、「さーて、どの空君の写真がいいかなぁ?」などといいながら、息子と一緒に写真をセレクト。

使用候補の写真を何枚か選ぶと、「じゃあ、この写真だったら、こんなレイアウトがいいかな」などといいながら、コピー用紙に鉛筆でサムネールを書いてゆく。

ここにタイトル、ここに本文、で、お前の写真は、ここにレイアウトすると、キャプションは何文字ぐらいで……、
なんていいながら書いてゆく作業を息子は熱心に見ている。

「さ、今、父上が書いたラフが、本になるからね」といって、デザイナーにラフ出しをする。

デザイナーが私の書いたラフに基づいて、誌面のデザインをし、オペレーターが文字を流し込む。
そして、出来上がったラフのプリントアウトを家に持ち帰り、息子に見せるわけです。
「ほら、父上がこの前、鉛筆で書いた汚い絵が、こんなにカッコいいレイアウトになったよ」って。

当然、自分の写真もビシッとレイアウトされているので、息子は、「おお、すげぇ!」と感激するわけです。

で、印刷所に入稿して、やがて、それが雑誌になります。

出来上がった見本誌を家に持ち帰って、「ほら、お前、本に載ったぞ」と見せると、またまた息子は喜ぶわけです。

「オレも、本作ってみたいなぁ」

そういえば、この言葉を聞いたのは、たしか、このときが最初だったと記憶しています。

お、もう10分経ってしまった。
時間って早いなぁ。
続きはまた明日!

記:2005/08/13(from「趣味?ジャズと子育てです」)

 - 雑想 雑記 , ,