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text:高野雲

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まゆゆAKB総選挙3位 晴れやかな笑顔でスピーチをしていた理由は?

      2017/05/24

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3位に転落。しかし……?

2015年のAKB48選抜総選挙では、渡辺麻友(以下まゆゆ)は、2連覇ならず。昨年の1位から3位に転落する結果になりました。

しかし、壇上に立ち、スピーチをしている時の表情は、なぜか晴れやか。

なんだか、重苦しい呪縛のようなものから吹っ切れた雰囲気すら漂わせていました。

なぜ?

以下、推測ではありますが、3つの理由が考えられそうです。



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相応の順位

まずは、これは彼女のスピーチの中でも、そのように読み取れるフレーズが出てきていましたが、2連覇はさすがに本人も難しいと思っていたようですね。

選挙前夜は「渡辺麻友、史上初の二連覇なるか?!」と報道されていましたが、あの前田敦子も大島優子も2年連続で1位を獲得したことはなかったのです。

そのようなことから、「あの、あっちゃんや優子さんでさえ2連覇したことがなかった」という事実から、この選挙で1位を取り続けることの難しさを誰よりも痛感していたのは、他ならぬまゆゆ自身であったに違いありません。

そして、今年は3位。

これぐらいが、今のまゆゆの心の中では相応の順位だろうと最初から考えていたのではないでしょうか。

もちろん、自分に投票してくれたファンの心情を慮ることも忘れず、スピーチの中では「もちろん悔しいですけど」と語ってはいましたが、心の中では納得、というか腑に落ちていたからなのではないでしょうか。

1位だけが味わう労苦

理由の2つ目は、1位を獲得したことによって生じる責任感や、忙しさや、面倒くささや、煩わしさからの開放感もあったのではないかと思われます。

昨年、1位を取ったまゆゆは、心身ともにかなりハードな1年間だったことでしょう。

もちろん、「神7」にランクインした時点で、それ以下の順位のメンバーに比べれば、仕事の忙しさは飛躍的に増すでしょうが、1位は別格です。

取材やら挨拶やらで、忙しさに拍車がかかります。

特に、1位を取ったという事実だけで、ギョーカイやスポンサーの見知らぬオジサンたちが、わんさかとやってきます。

私も20代、30代の半ばまでは、スポンサー会社の宣伝部の社員として、テレビCMの制作や広告の撮影の立ち会いのため、よくスタジオに足を運んでいましたが、アイドルや有名人、それに外人モデルの撮影となると、「なんで、こういう人まで現場に来るわけ?」というような、明らかに場違いな人たちが、ワンサカとやってくるんですよ。

出版社、テレビ局、代理店の担当ならわかるのですが、彼らの上長である部長や局長など、普段は撮影現場よりも、銀座や六本木にいる時間のほうが長いんじゃないかと思われるような「長」の肩書きがつくようなオッサンたちが、「俺は誰々に会ったことがあるぞ」という一言を言いたいがために、「撮影の立ち会い」という名目のもと、現場にやってくる。

今までの仕事の中ではお目にかかることのなかったクラスの人々が次から次へとやってきて、名刺や手土産を渡されまくりな状態になります。

さらに、そのオッサンの家族や知り合いが、そのアイドルのファンだったりすると、サインや、一緒に写真を撮ってくださいといったお願いをされたりと、本来の仕事以外の対応も大変になってくる。

まゆゆは、1位を取ったがために、一気に人数が増えてしまった見知らぬオッサンたちにも笑顔と愛想を振りまき続けていた1年だったのでしょう。

今回の総選挙で1位に返り咲いたさっしー(指原莉乃)の場合は、そういうオッサンたちをあしらうのは慣れていそうですが、まゆゆの場合は、根っこの部分は人見知りな性格のようです。

実際、現在放映中のドラマ『書店ガールズ』で、まゆゆは、仕事に前向きで常にポジティヴシンキング、時に暴走をしてしまうこともある北村亜紀を演じていますが、ドラマのHPを見ると、まゆゆは「私とは正反対の性格」であることを名言していますね。

北村亜紀は“クセモノ”です。私とは性格が正反対でまったく違うし、もし身近にいたとしたら、友だちにはなれないタイプかも。あまりにも自分と逆で、相手にグイグイ飛び込んで、気持ちいいほどズバッと意見を言う…そんな人を見ると、私自身は実はビビッてしまうんです。

「戦う書店ガール」インタビューページ

また、

私はなかなか自分から話しかけられず、話しかけていただくのを待っちゃうところがあるんです(苦笑)。でも、それこそ亜紀のように、私も殻を破って自分から動かなきゃ、と。これからがんばって実行していきたいと思います!

「戦う書店ガール」インタビューページ

とも語っています。

このように、実際は、かなり人見知りな性格を自任するまゆゆ。

しかし、仮に人見知りだとしても、今や国民的アイドル集団となってしまったAKBグループのトップが「私、人見知りなんです」的なことは言えない、言えるはずがない。

もちろん、まゆゆは、将来のAKBを背負って立つべく存在として、大島優子ら先輩からも期待をされていましたし、自らもそのような意思はあったことは疑いようもありませんが、過密スケジュールにおける身体的な疲れのほかに、センターになったことによって生じた、経験したことのない新たな気疲れをも味わった1年だったと思うのです。

しかし、3位になれば、そのような「煩わしさ」からは解放される。

もちろん1位になれなかったことは悔しいけれど、1位になったことによって生じる「もろもろも重さ」よりは、2位か3位だって、素晴らしい評価なわけですから、心の中の着地点としては、もっともコスパの高いところに落ち着いた安堵感もあったに違いありません。

コップの中の嵐

3つ目は、おそらくは現在のまゆゆの関心は、AKB48だけではなくなってきたのではないかと推察されます。

実際、最近ではベテラン女優の稲森いずみとのW主演をドラマ『戦う!書店ガールズ』で果たしています。

火曜日のフジテレビのドラマ枠なので、演技の巧拙や、芳しくない視聴率であることはともかくとして、ポジション的には先輩である前田敦子や大島優子に近いところに立ち始めているということに他なりません。

従来は、大グループになったとはいえ、AKB48グループという「内輪」の世界の中でトップを目指していた彼女が、「外」の世界に出て実際に「大物」や「本物」たちと仕事をしてみると、あの尊敬する先輩である前田敦子も大島優子でさえも、まだまだ駆け出しのヒヨッコ的なレベルであるということを体感せざるを得ない。

実力も存在感も、今まで所属していたグループの中のメンバーたちとは「格」も「存在感」も「実力」も違う世界を感じてしまったまゆゆの現在の状況は、半分野に放たれたウサギなのかもしれません。

そのような中、素人に近いメンバーも混ざった280人のグループの中での順位争いなど「コップの中の嵐」程度にしか感じなくなってきたのかもしれません。

グルーウ内の順位争いで、何位上がった、何位下がったなどといった些細な順位に拘泥することを小さなことに感じはじめてきているのかもしれませんね。

視野が広がり、心の中の世界観もスケールアップした状態で臨んだ総選挙だったとしたら、今回のスピーチにおける、堂々と貫禄すらも感じられた物腰も腑に落ちます。

そういえば、まゆゆのスピーチを見ながら「一皮むけましたね〜」と実況していた人もいましたが、たしかに、昨年に比べると一皮むけた感はありましたし、アイドル、女優としてスケールアップした手ごたえも感じました。

まゆゆは、まだしばらくAKBには在籍するでしょうし、今のところ「卒業」の噂は聞こえてきませんが、もし彼女の関心が「外の世界」に本格的にシフトしはじめたら、早いところAKBの重力圏から脱し、AKBの冠が取れた新たな渡辺麻友としての活動を展開して欲しいと思っています。

まさに、ドラマ『戦う!書店ガールズ』の主題歌のジャケ写のような、吹っ切れたかのような爽やかな笑顔が印象に残る「AKB48第7回選抜総選挙」でした。

記:2015/06/08

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