神保町のカレー店「エチオピア」で流れるミンガスの『タウン・ホール・コンサート』

   

チャレンジ欲をくすぐる神保町の「エチオピア」

神保町の明治大学の通り沿いにある「エチオピア」というカレー屋によく行く。

なぜかというと、自分の中にあるチャレンジ欲求が、ささやかながら満たされるから。

そう、この店はカレーの辛さを70倍まで選べるのですね。

その日の体調にもよるけれども、私は50倍から最高の70倍の間をオーダーしている。

カレーの辛さで、自分の好奇心とチャレンジ欲を満たすだなんて、なんともスケールの小さな話だなぁとお嗤いの方もいらっしゃるでしょうが、ハイ、スケール小さいです(笑)。

しかし、もちろんチャレンジということもあるけど、大前提は「旨いカレーを食いたい」な欲求が根底にあるのは言うまでもない。

カレーショップでミンガス!

いうまでもなく、この店のカレーはうまい。

べつに、50倍じゃなくてもうまい。

基本は旨いカレーを食いにいくこと。それにプラスアルファ、チャレンジングな要素が加わっているのですね。

ただ、やっぱり辛いほうが旨いかな。
(ちなみに上の画像のカレーは70倍です)

辛くなればなるほど旨い。

とくに、20倍以上になってくると、だんだん「うーん、この店の味の本領発揮だなぁ」と感じてくるけれども、べつに20倍以下でも十分に、店のカレーの味のキャラクターは保っている。

で、この店に昼時にいくと、いつもかかっているのが、ミンガスの『タウンホール・コンサート』なのね。

1Fのカウンターには、JBやマーヴィン・ゲイのジャケットが飾られているので、店主あるいはオーナーの趣味はブラックミュージックだということは分かる。

しかし、大きくブラックミュージックのくくりの中でも、濃いミンガスを常時流しているなんて、あまりにお洒落すぎるぜ!(笑)

激辛カレーを食べながら『タウンホール・コンサート』

いやはや、このアルバム、私、大好きなんですよ。

ミンガスのアルバムの中では1、2を争うぐらい好き。

ドルフィーが参加しているということもポイントが高いが、もちろん、それだけではない。 重厚なアンサンブル、巨大なスケール感。

そして、各人のソロも皆、とんでもなくすばらしいのだ。

しかも、2曲しか収録されていないこのアルバムは、1曲の演奏時間が長い。

つまり、おいしいカレーを味わいながら、汗を額からたらしながら、

「今日はジャッキー・バイアードのピアノがいいな」

「今日はクリフォード・ジョーダンのテナーが冴えてるな」

など、毎回、かかっている箇所が違うので、思わぬ発見もあったりして楽しい。

しかも、カレーを食べながらなので、さらに楽しい。

特に、今まではジョニー・コールズ(tp)とエリック・ドルフィー(as,bcl,as)のプレイばかりに耳を奪われていた私にとっては、クリフォード・ジョーダンのプレイがいかにミンガスの世界観を体現しているかということが、よ~く分かった。

カレー様様、エチオピア様様だ。

しかし、ここのところ、50倍カレーと70倍カレーの辛さや香りの差がいまいちよく分からない。

一昨日頼んだ50倍のほうが、昨日食べた70倍より辛い気がするのは何故だ?

私の舌が麻痺しているから??

記:2007/04/03

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