カフェモンマルトル

text:高野雲

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持てば持つほど扱いが難しくなるもの

      2016/02/09

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nimotsu

簡単な問題です。

以下の特徴を持つものは一体なんでしょう?

あればあるほど嬉しい。

多くの人が、たくさん欲しいと思っている。

持っていると、人が集まる。

しかし、持っていることによって尊敬されるかもしれないけれども、使い方がヘタだと軽蔑される。それどころか憎まれることもあるかもしれない。

しかも、ものすごく持っていると、会ったこともない人から嫉妬される可能性もあるし、自分のあずかり知らないところで、あること無いこと言われる可能性もある。

集めるよりも、使うほうが難しい。

使い方にその人の品性や人生観がモロに出てしまう。

また、使うタイミングも難しい。

だから、使い方に関しては、経験や勉強を積んだほうが、積まないよりは良い。

また、これをたくさん持っている人は、人間が変わってしまうこともあるし、持っていることによって人を見下すようになることもある。

さらに持てば持つほど、自分は偉いと勘違いする人も出てくる……。

このようなモノは一体なんでしょう?

お察しのとおり、答えは、「お金」です。

しかし、最初に言うのを忘れてしまいましたが、この問題に答えが2つあるとしたら?

お金と、もう一つ。

持っているに越したことはないかもしれないけれども、使い方が難しいものは?

答えは「知識」です。

知識も使い方や、使うタイミングを誤れば、あまりいいことはありません。

特に使うTPOを間違うと、逆にバカなんじゃないか?と軽蔑されます。

駄菓子屋で「うまい棒」買うためにアメックスのゴールドカードを使う人がいないように、友達同士の日常会話で、相手の知らない専門用語をバリバリに駆使して話すようなことって、普通しませんよね?

知識偏重な人や、心の貧しい人は、知らない人を見下したりバカにしたりする傾向も出てきます。

また、知っている自分は偉くて、知らない相手は偉くないと錯覚するかもしれないし、このように思いは、必ず相手に伝わってしまいます。

また、「なんで知らないの?」と、知っている自分があたりまえで、知らない相手がオカシイという思考回路に陥ってしまうこともあります。

もちろん、使い方さえ間違わなければ、とても役に立つことですし、商売に結びつくこともあります。

知らないよりはたくさん知っているほうが良いのです。

しかし、知識の多さは、頭の良さや、人間の立派さとは関係ありません。

本当に頭の良い人は、使う場所を間違えない人です。

空気を読める人です。

TPOを使い分けられる人です。

どこに(誰が)知識を持っているのかを探し当てられる人です。

お金にしろ、知識にしろ、多く持っていることは大切かもしれませんが、それに比例して、それらを使いこなすソフト、すなわち「知恵」が必要になってくるのです。

どんなにたくさんの単語が入った辞典のソフトをパソコンにインストールしても、このソフトを動かすOS(=知恵)の性能が悪いと、意味を成さないのと同じことです。

だから、我々は、考えたり、仮説をたてたり、失敗したり、成功したりを繰り返しながら、知恵をつけてゆかねばなりません。

知恵があれば、たとえ今は手持ちの知識が少なくても、努力次第ですぐにカバーできます。

知識を仕込むよりも、知恵をつけることのほうが、じつは何倍も難しいことなのです。

そして、知恵の多くは、実地体験でしか身につかないことが多いのです。

本に書いてあることも正しいかもしれませんが、本に書いてないことが目の前に起こったら、その目の前の出来事のほうが、少なくとも自分にとっては、「その場のリアル」なことなのです。

その場のリアルに対峙して、考え行動したことが、一つの経験値となり、場合によっては知恵として蓄積されるわけです。

だから、我々は常に考える習慣をつけなければならないし、「今の自分は、持っているもの(モノ、お金、知識)を、ある日突然すべて失っても、ゼロの状態から再スタートをきれる自分なのか?」を自問自答する必要があるのです。

もちろん、今の私には、そんな自信はないですが……。

記:2006/02/10

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