カフェモンマルトル

text:高野雲

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手帳とiPhone

      2016/05/27

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数か月前に、携帯電話をiPhoneに代えたことによって、手帳はほとんど必要なくなった。

スケジュール管理は、Googleカレンダーにアクセスすれば、いつでもどこでも予定を素早く入力出来る。

Googleカレンダーの使用によって、私のスケジュールは、自分だけではなく、アシスタント達もPCや携帯から私の予定を閲覧出来るようになった。

これによって、いちいち口頭で予定を説明せずとも、リアルタイムで彼らは私の行動予定を把握した上で仕事を進められる上に、場合によっては、私の不在時も、打ち合わせの予定の入力が可能なので、いちいち「折り返し確認してから先方に再度連絡」といった手間とタイムラグが省けたことが嬉しい。

もっとも、そのせいで私の行動予定は日に日に増えるばかりなのだが……。

また、思いついたメモに関してもiPhone付属の「メモ」というアプリをフル活用すれば、今の私にとっては充分と感じている。

アイデアは、こと細やかに記録するよりも、思いついたその瞬間、出来るだけリアルタイムに記録することのほうが大事。

だから、たとえ入力する言葉の内容が稚拙だったり、本人以外には意味不明な文字であっても、後でその時の記憶が解凍することが出来れば、紙の上に丁寧に一文字一文字記録する必要などないのだ。

iPhoneをさっと取り出して、さっと入力。
このスタイルが定着しつつある。

たしかに、文字の入力速度は、パソコンや、筆記用具を使って紙に記録することに比べると格段に落ちることは否めない。しかし、片手で入力出来る気軽さはなににも変えがたいものがある。

しかも、パソコンでの入力は場所を選ぶ上に、起動までに時間がかかる。また、紙へのメモも、ポケットなどから筆記用具とメモを取り出すまでの準備段階で既に気持ちが億劫になることも多い。その点、多少入力速度が落ちたとしても、思いついてから、入力準備に至るまでの時間の短さが、iPhoneにメモする行為における最大のメリットだと感じる。

また、この「メモ」は、「To Do リスト」としても活用しているので、私のiPhoneのメモは常に100以上の思い付きや、やることが記録されている。時系列順に記録されるのも嬉しい。

ときおり、入力のし過ぎによるメモリーオーバーが引き起こす現象なのだろうか、漢字変換が出来ずにカタカナだけの変換候補になったり、欧文のフォントが変わったりすることもあるが、その場合は、一度電源を切って再度立ちあげれば、問題はほぼ解消する。

あとは思い付きや予定が実行されたら「削除」してゆけば良いだけなので、ポストイットでぺたぺたと予定を机や手帳に貼りまくる必要もない。

ポストイットを愛用している人のなかには、タスク完了時にポストイットを剥がすことが一種の快感と感じる人もいるようだが、これに負けず劣らず、iPhoneアプリの「メモ」を「削除」する作業は、タスク完了後にポストイットを剥がす快感と同種のものがある。

このように、余分な紙やペンのインクを使わなくなったぶん、気持ちも持ち物も身軽になったし、iPhone購入前に比べると私の手書きの量はかなり減ってきた。

『超・音楽鑑賞術!』という、「手書きのススメ」を説く本を著した本人が、こんなことを書くと矛盾しているようだが、では、音楽を聴いているときの感想や、突然ふってわいた言葉などは、ではどうしているのかというと、それは相変わらず「手書き」を継続させている。

▼私・著の「手書き推奨」本です。
超・音楽鑑賞術!超・音楽鑑賞術!

iPhoneの使用以来、ほとんど使わなくなった革製の6穴手帳は、今ではスケジュール欄が取り払われ、すべてのリフィルが無地のものに差し替わっている。

この白紙の紙にiPhoneへの文字入力に向いていない抽象的な内容をペンで書きなぐっているわけだが、そのほとんどが文字ではなく絵だったり、線だったり、奇妙な図形だったりすることが多い。

つまり、言語化される前のモヤモヤした気分や、漠然とした感触を絵や図形で記録しているわけだが、これは他人が見たところでまったく意味が分からないだろう。

しかし、これを書いた私は、書いたときの状況が、これらの絵や図形を見ることによって記憶が解凍されるので非常に役に立っている。

このようにして、自分のアイデアなどを少しずつストックしてゆき、場合によっては実現させていっているわけだ。

おかげで、スケジュールをこと細かく記録するための革製のシステム手帳が、今では落書き帳になってしまった……。

ところで、よく「手帳で願望実現」的な書籍を書店のビジネスコーナーで目にするし、実際私もこれらの本は何冊も読んできたが、私は手帳だけでは夢はかなわないと思っている。

思いを実現させる鍵は、あくまで行動量だ。

もちろん、行動が多ければすべての願望が実現するわけではないのだが、行動の量に比例して実現の可能性は高まる案件が多いことも、また確か。

1つの行動よりも、10の行動、いや、100の行動のほうが実現のパーセンテージは高まる可能性は高い。

しかし、100の行動を効率良く行うためには、どうしてもスケジュール管理や優先順位の吟味が必要となる。

そのために存在するのが手帳なのだろう。
実際、私も手帳で行動スケジュールや優先順位を確認してきた。

しかし、手帳はあくまでも行動をサポートするためのツールでしかなく、手帳を「購入した」「持っている」「使っている」という事実のみでは、何ごとも起こらない。

大事なことは行動。だとすれば、その行動を管理するのに適したツールは、紙であれ電子機器であれ、当の本人がストレスを感じずに常に愛用できるツールがあれば、それでオーケーなのだ。

今の私にとって、行動を管理するための最適な手段がiPhone。

もちろん、将来、もっと便利な手段を発見したらそちらのほうに移行するだろうが、今のところ、私にとって自分の行動を管理するための最適な手段が現時点ではiPhone、というわけだ。

といっても、使っている機能は、電話機能とブラウザ機能(それもGoogleカレンダーのみ)。それにメモと、マップのみだが……。

来年も、しばらくはiPhoneを愛用していることだろう。

記:2010/12/31
 

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