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ジャズと映画とプラモの日々:高野雲

刑務所暮らしに比べれば、恵まれてるってもんよ。

      2016/11/19

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prison

時折、逮捕されて刑務所暮らしになる夢を見ます。

すごい恐怖です。

なにが恐怖かって、たとえば刑期が7年とか10年だとしましょう。

息子が私の知らぬ間に、どんどん成長してしまっているのです。

最初は女房と一緒に面会に来るのかもしれませんが、そのうち、足も遠のき、学校では「お前の父ちゃん犯罪者!」などとイジめられたりして、屈折した心を持ったまま大きくなって、中学生になったら「クソっ!親父のせいで、俺は…」なんて、恨まれたりして。

晴れて刑務所から出所します。

お務めを終えて戻った我が家には(あくまで刑務所にいる間離婚しなかったことが前提ですが)、大きくなった息子がいる。

記憶の中にある天使のような無邪気な可愛らしい笑顔の面影は消え、いつの間にか私の身長を追い越してデカ男になった息子が私を見下ろし、軽蔑のまなざしの一瞥。

家族のもとに戻りたい一心で、息子の笑顔を再び見たいという一心で、塀の中ではお勤めに励み、やっとの思いで出所した娑婆。

ようやくの思いで再開した家族はすでに変わり果て、息子にとって私はすでに軽蔑の対象。

小さい頃は、あれほど「ちちうえ、ちちうえ」と慕ってくれていた息子に、「俺には父親はいない」
なんて言われた日にゃ、ああ、想像しただけでも哀しく恐ろしい。

刑務所にいる間にゆっくりと堆積していった時間は、親と子の絆をじわじわと切り離し、二度と修復は不可能。
嗚呼、なんて残酷なんでしょう……。

時間とともに心が離れ離れになる。
これって恐怖です。

しかも、知らぬ間に息子は別人のように大人になっていて、そうなるまでの時間、過程に親の私は立ち会えていない。

二度と取り戻せない時間。
二度と埋められない心の距離。

そんな夢をときどき見て、悪夢にうなされることがあるんですよ。

だから、刑務所だけには入りたくないな、といつも思いながら生きている毎日です。

これらの本も、「人ごと」だから、野次馬根性で興味深く読めるけれども、それがいざ、自分になったらと思うと本当に怖い。

月曜日から、今日(木曜日)まで、編集部に私は缶詰でした(今でも)。
外出は近所に食事に行くときぐらい。
夕方と深夜。さっと出て、さっと帰ってくる。

やることが目白押しなので、大変といえば大変だけれども、やることの多さゆえ退屈はしていないし、規則の緩い刑務所に数日間いたと思えば、大したことありません。

いや、刑務所生活に比べれば、何十倍も恵まれた「軟禁生活」です。

唯一の不満は、体が痒くなってきた。風呂にはいりたい(笑)。

で、そんなこんなで、あら、もう木曜日?
さきほど、仕事、ほとんど終えたので、
今日の朝、ようやく我が家に帰宅することができます。

数日間のブランクぐらいならば、息子もそんなに成長してないだろうし(笑)、むしろ、喜んで私のことを迎えてくれるでしょう。

ああ、刑務所じゃなくて良かった。
女房は、いつものように「お務めご苦労さん」と言われそうですが(笑)。

記:2005/10/20(from「趣味?ジャズと子育てです」)

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