カフェモンマルトル

text:高野雲

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諸行無常というか

      2015/05/23

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かつて私が小さい頃に住んでいた家に行ってきました。

場所は、横浜の本牧。

キレイにサラ地になっていました。

先日、亡くなった祖母が住んでいた家なのですが、もう誰も住む人がいなくなったので、結局、家は取り壊すことになったのです。

私は5歳まで、この家に住んでいました。

亡くなった祖父と祖母、そして父と母、そして妹と私の6人で。

父親の仕事の関係で、我々家族が引っ越しした後も、当時は祖父と祖母がその家で暮らしていたので、私たち家族が暮らしていた名古屋や大阪からちょくちょく夏休みや冬休みに遊びに戻っていました。

だから、引っ越しした後も、意識の半分は「自分が住んでいる家」という感覚だったのですね。

そんな家が、今日訪れてみたら、まっ茶色な地面だけに。

取り壊されることはもちろん知ってはいても、いざ目のあたりにすると、やはりショックでしたね。

形あったものが、その当たり前に存在しつづけていると思っていたものが、一瞬で、綺麗に「無」になった感じ。

なんだか自分の人生の半分(あるいは三分の一ぐらいかな?)がポッカリ空白になってしまったような妙な気分になってしまいました。

荷物の運び出しなどで私は先週もこの家を訪れています。

みしみしと音をたてる畳や、2階に上がるときの階段の感触、それに窓を開けたときに入ってくる涼しい風の感触など、あいかわらず、この家は昔のままだなと思ったものです。

それが、数日後には地面だけになっている。

地面の上は真っ白な空白の空間。

なんだかすごく時間と意識のギャップを感じてしまいました。

しばらくの間、さら地になったかつての家の前にたたずみ、「今までありがとう」と心の中で唱えてからバス停に向かいました。

記:2013/07/31

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