零戦のような文章を書きたい(笑)

      2015/07/23

ホントは、昨日もシゴトすべきだったんだけども、「3連休ぶっとおしでやるのなんてヤダイ!ヤダイ!俺はシゴトだけのために生きてるんじゃないんだい!」という意地で、強引に昨日はシゴトはすべてオフにしました。

映画を観にいったり、昼寝をたっぷりしたのですが、うーん、いま考えれば、ちょこっと頼まれている原稿ぐらい書いておけば良かった。

締め切り迫る!

まあいいや。

今書いているのは、いや、これから書こうとしているのは(笑)、初心者向けのジャズピアノを弾こう!という譜面本。

なんでも、書店には置かれずに、楽器屋の譜面コーナーにしか置かれない本のようです。

私が頼まれているのは、譜面のパートではなく、ジャズピアノの豆知識のところ。

いろいろなスタイルあるよねー、この人はああいうスタイルで、あの人はこういうスタイルで弾いているんだよ、一口にジャズピアノといっても、色々な種類があるんですよ、みたいな豆知識ページです。

1つ1つの原稿の文字量は多くはないのだけれども、だからこそ、大変だということもあり、つまり、それぞれのピアノのスタイルを簡潔に、しかも、編集部の意向に沿った内容に落とさねばならないので、無駄や冗長なライティングをする余地がまったくない。

引き締まった贅肉のない文章で、なおかつ分かりやすくという命題をクリアしなければならないので、まるでパズルをやっているような脳の心地よいムズムズ感があります。

分かりやすく、少ない文字量で、しかも初心者からベテランまで読んで納得!という条件を満たさなければならない。

昔、ドイツ空軍がユンカース社に、「戦闘機よりも速い爆撃機を作れ」と命じ(具体的には時速500km以上の高速を出せて、なおかつ800kg以上の爆弾を搭載できる爆撃機)、結果的にJu88という中型双発爆撃機が誕生したわけですが、まるで、今の私は、ユンカース社の技術者のような気分です(笑)。

1/32 ユンカースJu-88A-1/A-5 (新金型)1/32 ユンカースJu-88A-1/A-5 (新金型)

あっちを出せば、こっちが引っ込む。

こっちを引っ込めずに、あっちも出すという、矛盾した条件をうまーく両立させるような作業。

いや、もっといえば、有名な「十二試艦上戦闘機計画要求書」かもしれない(大袈裟だなぁ)。

これは、海軍が三菱と中島に出した次期主力戦闘機開発の要求ですが、

1. 離着陸性能良好なること。離艦距離 合成風力10m/sにおいて70m以内
2. 増槽併用の場合6時間以上飛行し得ること
3. 促進可能なること
4. 必要により30kg爆弾2個携行し得ること

と、あまりに当時の設計技師にとっては「ないものねだり」な要求だったようで、三菱と競合する中島は、この計画を途中で辞退し、三菱のかの有名な堀越設計技師らが中心となり、苦労に苦労を重ねて完成させたのが、あの「零戦」だったわけです。

▼やっぱり、零戦は21型っしょ(笑)。中国戦線で活躍した11型も捨てがたいが……
1/32 エアークラフト No.17 1/32 三菱 零式艦上戦闘機 二一型 603171/32 エアークラフト No.17 1/32 三菱 零式艦上戦闘機 二一型 60317

たかだか私の文章にJu88や零戦を引き合いに出すのもオコガマシイ話ではありますが、私は零戦のような文章を書きたい(笑)。

じつは私、零戦が大好きなんですよ。

昔は零戦のプラモデルを作りまくっていたし、撃墜王の故・坂井三郎氏の講演に足を運び、その後にお会いした際には、氏の著書に、「連戦連勝」「不撓不屈」などのお言葉付きのサインもいただいたこともあります(嬉)。

現存する零戦を見に、オークランドの博物館まで足を運んだこともあります。

あと、零戦のほかには、戦艦大和も好きですね(笑)。

もちろん宇宙戦艦ヤマトや、『沈黙の艦隊』の原潜やまとも好きですが。

ゼロ戦でも、零戦(れいせん)でも、零式艦上戦闘機でもいいんだけれども、これらの言葉の響きや、「やまと」という言葉の響きを聞くと、背筋がシャンっ!となり、なんというか、カーッと血に熱いものが流れる(笑)。

他にも、機動部隊、瑞鶴、翔鶴、赤城、加賀、飛龍、蒼龍という空母関係の言葉も同様だし(笑)、あ号作戦、捷一号作戦、菊一号作戦、雲一号司令、龍三号司令などといった作戦関係の言葉も口にするだけで、シャキッと身も心もひきしまります。

(ちなみに私のハンドルネームも、市川雷蔵主演の陸軍中野学校シリーズの『雲一号司令』からきています。雲の前は雲苺と名乗っていたぐらいですから)

さすがに、一式陸攻や、雪風(大和の沖縄特攻に同航した駆逐艦)という言葉に、ぶるぶると震える南の島のCDショップの方もいらっしゃいますが(笑)、さすがに私はそこまで深遠なレベルには達していません(笑)。

ま、とにもかくにも、零戦とか大和という言葉には、どういうわけか特別な思いがある。

私の爺ちゃんの1人はレイテのブラウエンで戦死しているので(このことは大岡昇平氏をはじめとする遺族たち関係者の方々の調査で最近分かった)、特に私の家系に零戦や大和関係の遺族がいるというわけでもないのですが……。

でも、多くの日本人の男性って、特に年配の方は、零戦や大和が好きな方が多いのではないのでしょうか?

かつて、太平洋の空を席捲し、縦横無尽に「零戦」を駆って大活躍し、なおかつ列機(部下が操縦する飛行機)を1機も殺さなかった故・坂井三郎氏のような「大空のサムライ」のような文章を私は書きたい。

氏の講演には何度か足を運んだこともあるんだけれども、当時の軍人にありがちな「気合一発」タイプではなく、非常に合理的かつ柔軟な思考の持ち主。

かつ、理路整然した説明のわかりやすさは、彼の著書を紐解けば、十分に納得することでしょう。

▼中学生の時からの愛読書の1冊
大空のサムライ―かえらざる零戦隊 (光人社NF文庫)大空のサムライ―かえらざる零戦隊 (光人社NF文庫)

記:2007/07/16

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