ガトー風ゲルググ塗装記/HG シャア専用ゲルググ

      2021/02/11

青&緑で塗ります!

先日、素組みで完成したシャア専用ゲルググを塗ることにしました。

ピンクと茶色のシャアカラーで塗っても良いのですが、ソロモンの悪夢と言われたアナベル・ガトー専用機のカラーがカッコ良いので、青と緑で塗ってみようと思います。

ジオン公国軍汎用量産型モビルスーツ MS-14A アナベル・ガトー専用 ゲルググ (機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY)

塗る前に、まずは合わせ目処理をしなければです。

肩ですね。

タミヤセメントをたっぷり塗りつけて接着した両肩のパーツを時間をかけて乾かし、耐水ペーパーでゴシゴシ。

ヘコみをパテで盛り、乾いたら耐水ペーパーでゴシゴシ。

この後、サーフェイサーを吹く予定です。

黒サフ吹き付け

ゲルググの各部位をブロックごとに分割して、黒サーフェイサーを吹き付けました。

黒立ち上げ?
MAX塗り?

黒立ち上げという手法が、いつのまにかMAX渡辺氏が多用している手法ということで「マックス塗り」という名前が定着した?

その定義というか手法というか歴史はよく分かりませんが(ある程度は把握しているけど、自信を持って「こうだ!」とは言えないので)、暗い色から明るい色を重ねていくと深みが出ることは確か。

段階的に明度を上げて色を吹き付けていくつもりはありませんが、とりあえず窪んだところや合わせ目を消すという程度の意味で、黒サフをプシュー。

ガンメタルをスプレー

ゲルググのスカートと脚の内側に装備されているスラスター、ヒザ、マニピュレーター、ビームライフルを塗装しました。

黒いサーフェイサーを吹いた後、ガンメタルのスプレーを遠くから噴霧。

ギンギラギンになり過ぎず、メタリックな粒子がまばらに表面に付着してくれればいいかな的なニュアンスで吹き付けました。

ベースカラーを塗装

ガトー風の配色にするために、とりあえず手持ちのスプレーを各パーツに吹いてみました。

青の部分はクレオスのブルーを噴霧。

ボディの緑の箇所はクレオスのダークグリーンを噴霧。

ビーム薙刀の柄や、シールドの淵はクレオスのイエローを噴霧。

シールドの面の部分はタミヤのジャーマングレーを噴霧。

ツヤ有りスプレーが多かったので、なんだかテカテカな感じになってしまいました。

ま、この後はどんどん色を重ねていくので良いのですが。

エナメル系のハルレッドを雑に塗装

先日スプレーで緑と青で塗装したゲルググをみていると、筆塗りではなかなか難しい表面が滑らかさ、均一さがあって、それはそれで良いのですが、なんだか物足りない。

綺麗すぎるというかフラットすぎるんですよね。

そういうの見ると、昔から汚してやりたくなる性格なので(危?)、エナメル系のハルレッドを上からグシャッと雑に塗ってみました。

きちんと塗装することが目的ではないので(むしろ逆)、100均で買ってきた見るからに作りが雑な水彩絵の具用の、刷毛のようなデカい筆でビャビャッ!と一気に塗りたくりました。

けっこう楽しい♪

ハルレッドは溶剤でけっこう薄めているので、下地はもろ見え。
なんだか全体に泥をかぶったようにも見えますが、乾いたらもう少しゲルググさんには泥をかぶってもらう予定です。

イフリート改のモノアイに張り替え

キット付属のピンクのモノアイのシールも悪くはないのですが、RE/100のイフリート改のモノアイがピンクなだけでなく、角度や光の加減によっては光を反射して光っているように見えるシールなので、ゲルググのモノアイシールはそれと張り替えました。

1/100サイズのMSのモノアイですがが、1/144サイズのゲルググにも特に違和感なく収まっていると思います。
少々大きめにも感じますが……。

もともと、現在制作中のイフリート改のモノアイは、青竹色のセンサー用メタリックシールにするつもりだったのです。
捨てずに済んで良かった良かった。

関連記事:真っ赤に塗装!イフリート・亜改(赤い)/RE/100 イフリート・改(MS-08TX[EXAM] EFREET CUSTOM)

フラットブラウンをランダム塗り

ハルレッドが乾いたら、つづいて水でバシャバシャに薄めたフラットブラウン(アクリル塗料)を表面に雑に塗っていきました。

今回も100均で打っていた毛先がごわごわとした筆で。

はみ出し等を気にせずに、ガシガシと勢いよく塗るのは楽しいですね。

レッドブラウンを雑塗り

今度は水で薄めたレッドブラウンをジャバジャバとランダムに安筆で雑塗りしました。

もうこのへんで泥んこ遊びはストップ。

別な色を塗り重ねていきます。

NATOブラックを雑塗り

足先をタミヤのアクリル塗料、NATOブラックで筆塗りしました。

そして、塗料皿に余ったNATOブラックを水で薄めて、水彩絵の具用の大型筆で、残りのパーツをランダムに塗りました。

この汚さ、なんか落ち着くんですよね。

テカテカに綺麗に塗り分けられたプラモよりも、(実際は付着していないけれど)油や埃や泥にまみれたニュアンスのプラモのほうが、個人的には「働くメカ」って感じがして親近感が湧くんですよ。

今でも自分の中では特撮の原点となっている『サンダーバード』の影響が大きいのかもしれません。

あ、リメイク版だったりCGのやつじゃなくて、スーパーマリオネーションの元祖のバージョンね。

幼い頃から何度も観ているせいか、あの絶妙な汚れ、あのリアルなテイストが、いつの間にか自分の中の大きな価値基準になってしまっているようです。

もちろん、サンダーバードに登場するメカは、私が作る模型のように汚過ぎることはないですが。

きちんと計算された汚れ。

後々、模型を制作、塗装していたスタッフが『スターウォーズ』のジョージ・ルーカスのチームに引き抜かれた理由もよく分かります。

ボディにブラックグリーンを上塗り

黒だか茶色だかよく分からなくなったゲルググのボディに、今度はアクリル塗料のブラックグリーンを筆塗りしました。

せっかく黒だか茶色だかよく分からない下地を作ったので、それを塗りつぶし過ぎてしまわないよう、水で薄めたブラックグリーンを幅の広い平筆でサッと一回塗り。

あとは、たくさん風が吹いてくるベランダに置いて自然乾燥です。

ジャーマングレイを薄塗り

ボディ以外の箇所には、薄めたジャーマングレイ(アクリル塗料)を大きな平筆で、サクッと塗装しました。

下地が透けるほどの薄塗り。

水でビショビショ薄めてます。

NATOグリーンを塗り重ね

今度は溶剤で薄め、さらに微妙に水を加えて薄めたアクリル塗料のNATOグリーンをボディに雑筆塗りしました。

めぐりめぐって、ラッカー系のダークグリーンをスプレーした時と同じ色味に戻ってきた感じです。

ただ、ノッペリ均等に緑がパーツの上にメリハリなく乗っているよりは、ボロッちさが強調されたテイストになってきたので、やはり筆塗りにしか出せない味わいってイイものですね。

フラットブルーをラフに筆塗り

ボディ以外のゲルググの外装をアクリル塗料のフラットブルーを溶剤で薄めてラフに筆塗りしました。

少し薄め過ぎた感じがしなくもない、下地の色が透け見えって感じですが、乾いたらさらに明るい色を重ねてゆくつもりなので、筆返しなしの一回塗りでフィニッシュしました。

ボディにフィールドグレー

ゲルググのボディに水で薄めたフィールドグレーを筆で塗りました。

万遍なく塗りつぶすのではなく、塗りたいところにチャチャっと筆を置くような感じで塗装しました。

かなり草臥れた感じになってきました。

フィールドブルーとフラットブルーを重ね塗り

フィールドブルーに極微量のフラットブルーを混ぜ、水で薄めたものをシャバシャバと筆塗りしました。

平筆でささささっと一回塗って、あとはベランダで風に当てて乾燥させるだけ。

さらに黄色を強めて筆塗り

ゲルググのボディ、NATOグリーンにさらにフラットイエローを増量して混ぜたものを、ランダムに筆塗りしました。

出っ張ったところを中心に。

中学、高校生の頃の私は、エアブラシをメインにプラモを塗装しており、その時はAFVを中心に作っていたこともあり、緑系の色の戦車を作ることが多かったのですね。

アメリカ、イギリス、ロシアの戦車にオリーブドラブやダークグリーンを吹き付けていたのですが、塗料に少しずつ黄色を足してプシュプシュ吹いていくのが好きでした。

面白いくらい表面に立体感が出てくるからです。

その変化が面白く、調子に乗って黄色を足し過ぎて黄色っぽい戦車になってしまったこともありますが、今回黄色を混ぜた緑色を筆でシャバダバと塗っている際、その時の記憶が蘇ってきて楽しく塗装をすることが出来ました。

ダークシーグレーとブルーを混ぜて筆塗り

ゲルググの青の部位、今度は、フラットブルーにダークシーグレーを混ぜて、水で薄めて筆で雑塗りしました。

クレオスのラッカー系塗料のつや消しと違い、タミヤのアクリルのつや消しの特徴は、しっとりとマットな感触なこと。

まるでフェルトのような布地を思い出させる表面になってきました。

ま、この後、エナメル系塗料でフィルタリングをかければ、もう少し表面にテカリが出てくるとは思いますが。

脚部、スカートの裏側をハルレッドで塗装

脚部とスカートの裏側をもう少しクタビレた感じにしたくなったので、アクリル塗料のハルレッドを溶剤で薄めて幅の広い平筆で一筆塗りをしました。

う~ん、ちょっと赤の要素が過ぎたかな?

仕方ない、だってハル「レッド」ですからね。

それはそうと、ゲルググのボディと脚部、アクリル塗料独特のつや消し効果で、なんとなく紙粘土で作ったロボットを水彩絵の具で塗ったオブジェのようにも見えます。

足先にもハルレッド

スカートや脚部の内側の「ハルレッド塗り」が楽しかったということもあり、また塗料皿に微妙にハルレッドが余っていたので、足先のブルーがはみ出た箇所を中心に筆でちょんちょんとハルレッドを置いてみました。

泥んこ遊びをして帰ってきた小さい子どもの靴みたいですね。

NATOブラックを上塗り

ハルレッドを塗ることで境界線をごまかした足先ですが、今度はハルレッドの赤茶色・赤茶色しすぎている部分を、NATOブラックで上塗りして、色の飛び具合を抑えました。

水で薄めたアクリルNATOブラック。

半光沢なので、鈍い黒光が、場所的にも良い感じです。

あと、昔作ったガンプラの白い四角枠のシールが余っており、サイズ的にも丁度良かったので貼ってみました。

シールド七変化

盾の中央のパーツにジオンのシールを貼ってみました。

ガザCのシールが余っていたので。

シールを貼ってつや消しトップコートを吹いたら、かえってシールの余白の四角が目立ってしまいました。

仕方がない。
やっぱりシールを貼るのは今回もやーめた!ってことで、デザインナイフでシールを剥がしました。

思いっきりシールの跡が目立っているので、全体を1000番と1200番の耐水ペーパーでゴシゴシ。

ツルリとなったところで、黒いサーフェイサーを吹きました。

20分ほど乾かした後に、今度はマホガニーを吹きました。

30分ほど乾かしたら、今度はアクリル塗料のハルレッドを面積の広い平筆で筆返しなしの一筆塗り!

なんだか遺跡から発掘された保存状態良好な物体のようだな~なんて思いながら眺めているうちに、みるみる塗料が乾いていき、20分ほどしたら今度はアクリル塗料のジャーマングレーを薄めずに一筆塗りをしました。

ハルレッドやマホガニーが、ところどころの「塗り漏れ」から顔を出していて、この均一ではないムラムラな感じを眺めていると時間がどんどん過ぎ去っていきます。

ウェザリングカラーのバイオレットでフィルタリング

ゲルググのボディ、各パーツをMr.ウェザリングカラーのフィルタ・リキッド レイヤーバイオレットでフィルタリングをかけました。

単調だったグレーがかった青の色調に変化がついてくれましたが、それ以上に、グリーンのボディには効果大でしたね。

一見、グレーでスミ入れしたような感じにも見えますが、グレーでは出せない微妙なニュアンスを醸し出してくれています。

これは、かなり個人的にはツボ。

今後は、こういう色を出すためだけに、緑色のプラモばかり作ろうかなと思ってしまうほどです。

模型の粗製乱造を繰り返しながら、あれこれ試行錯誤を繰り返していると、思わぬ発見があるものです。

ステインブラウンでフィルタリング

今度は、Mr.ウェザリングカラーのステインブラウンで要所要所をフィルタリングしました。

紫のフィルタリングのみだと、色が落ち着かない箇所もあったのですが、ブラウンでフィルタリングをかけることで、不自然な色の「飛び」は抑えられたのではないかと思います。

そろそろ仕上げ段階にさしかかってきました。

いったん組み立て

フィルタリングをかけたウェザリングカラーが乾いてきたところで、全身の調子をみるためにいったん組み立ててみました。

わりとフツーというか。

「はい、ゲルググです。通常の量産期とはちょっと色が違いますが、正しくゲルググです。」と全体から漂う雰囲気が主張している感じですかね。

後姿。

やはりサーフボードのような盾がインパクトありますね。

ゲルググ、特にガトー機がもっとも活躍したのは、大戦末期のソロモン戦でしょうから、これ以上汚さなくてもイイかな?って感じはしますね。

ゲルググの実戦配備が開始されたのは、宇宙世紀79年の12月6日ということになっています。
そして、「ソロモンの悪夢」と恐れられたガトーのゲルググが大活躍したのが、同年12月24日。
連邦軍のソロモン侵攻作戦「チェンバロ作戦」が実施された日で、この日、ビグザムで出撃して戦死したドズル・ザビ中将はソロモンの放棄を決定しています。

そして、その1週間後の12月31日に、地球連邦軍の「星1号作戦」でア・バオア・クーが陥落し、宇宙攻撃軍のデラーズ大佐は、アナベル・ガトーをはじめとした直属の部下たちを率いて戦域を離脱しています(そして翌日の80年1月1日に終戦)。

つまり、ガトーのゲルググが活躍していた期間というのは、最速で12月6日にゲルググを受領したとしても、たったの25日間しかありません。

一ヶ月足らずです。

この短い期間にボロボロになりすぎるのもちょっとヘンかな?という気もするので、あとは軽くドライブラシをかけて完成ということにしようかなと考えています。

ちなみに、シャアのほうは12月25日にゲルググを受領し(クリスマスプレゼント?)、30日にアムロが操縦するガンダムに右腕を切り落とされています。そして、翌31日にジオングに乗りかえていますから、シャアがゲルググに乗っていたのは、わずか5日間でした。

ゲルググは、本当に大戦の末期も末期になんとか戦線に滑り込むように配備された機体だったんですね。

高性能でありながらも(スペックはガンダムより上)、この性能に応えられる練度を持ったベテランパイロットの多くが戦死したいたこと、また強力な兵器でありながらも登場が遅かったために戦局を覆すにいたらなかった点など、くわえてシンプルで力強い外観など、どうしてもドイツのキングタイガーと重ね合わせてしますのです。

関連記事:モビルスーツと第二次大戦中の戦車

ガトー風塗装完成!

組み立てたゲルググ本体に、以下の最終仕上げをしました。

アクリル系のガンメタルとメタリックグレイでドライブラシ。

スミ入れ塗料のダークブラウンを溝に流し込み。

エナメル系塗料のバフで軽くドライブラシ。

いずれもやり過ぎないように。

そして、もうこんなもんでイイだろうってことで手をストップ。

完成、ということで。

なにせ一ヵ月も使ってない機体ですからね。
戦闘で出撃した回数も数えるほどでしょう。
汚し過ぎもいかんでしょう。

といいつつ、けっこう汚かったりして。

ソロモン攻防戦では、なんと戦艦8隻を沈めた機体。
まさに「ソロモンの悪夢」。

シャア並みに凄い人だけど、アナベル・ガトーさんは。
ただ、所属の違いでこの2人には接点は無かったようですね。

敗戦色が濃厚の中、ソロモンからア・バオア・クーへ撤退する艦隊のしんがりを務め、連邦のジムや艦船を次々に撃滅するも、ア・バオア・クー攻防戦では機体の右腕が被弾。着艦したグワジンに搭乗するデラーズに説得されて戦線を離脱。数年間、月に潜伏したガトーさんは、デラーズ・フリート決起後、地球の連邦軍トリトン基地から核弾頭搭載のガンダム試作2号機を強奪。
そして、強奪した2号機で、コンペイトウ(旧ソロモン)宙域で行われた連邦軍の観艦式を襲撃。

この流れを知った上での、ガトーさんの「ソロモンよ、私は帰ってきた!」のセリフは胸に染みますな。

今度はガトー風塗装のザクも作ってみたいものです。

記:2018/07/10

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