史上最高のギタリストは誰だ?/月刊プレイボーイ2006年11月号

      2019/09/01

PLAYBOY (プレイボーイ) 日本版 2006年 11月号 [雑誌]
PLAYBOY (プレイボーイ) 日本版 2006年 11月号 [雑誌]

クラプトンから布袋まで

今回の『月刊プレイボーイ(日本版)』は、ギターマニア必携の特集だ。

題して「史上最高のギタリストは誰だ?」。

クラプトン、ジミヘン、ジェフ・ベックはもちろんのこと、日本だと寺内タケシ、高中正義、チャーから布袋寅秦まで。
もちろん、ロバート・ジョンソンやウェス、マクラフリンに渡辺香津美も紹介されてまっせぇ。

フランク・ザッパやスティーヴィー・レイ・ヴォーン、バディ・ガイやチャック・ベリーが取り上げられているのも個人的には嬉しいねぇ。

絵になる表情

これまた掲載されている写真がイイ~イ写真ばっかりなんだ。
特にBBキングの表情といったら。

どの写真も、いい感じの表情を捉えたショットばかり。

これ見てると、ギタリストってテクだけでなく、顔も重要なんじゃないかと思ってしまうほど。

いくらギターが巧くても、ライブで絵になるか、ならないか。
これって大きな分かれ道かもしれない。

君の顔はクラシックじゃない

学生の頃、キーボードを習おうと思って某音楽スクールの個人レッスンを見学したことがあるんだけど、そこの先生は、森高千里やその時にはやっていたアイドルやミュージシャンのバックバンドのキーボードをやってたりと、まぁ、メジャーの表舞台ではそこそこの活躍をしていた人だったようだ。

最初はクラシックを志して、音大まではクラシックをやっていたんだけれども、ある日、先生から、「キミはクラシックでは大成しないよ」と言われたのだそうな。

なぜかというと、「ルックスがクラシックじゃないから」なのだそうな。

どんなにピアノが上手でも、行き着く先には限界があるよ、キミのためを思って今のうちに本当のことを言うと、なんだって。

「なんじゃそりゃ?」と思うと同時に、「あ、そうなんだ、そうなの、そうなの、分かったよ! ボクはそのとき、目からウロコが落ちたよね。よっしゃ、クラシックなんてやめてやれ、ポップスの世界で大成してやらぁってね。」と仰っておりました。

……と、ギタリストたちの素晴らしい表情を眺めていると、そんなことを思い出してしまいましたが、クラシックに限らずギターヒーローも顔が重要じゃないのかな?とチラリと思ってしまうのですよ、
このギタリスト特集を見ていると。

もちろん、卵とニワトリどちらが先かのハナシじゃないけれども、良いギターを弾ければ、良い顔になってゆくと思いたいものですけどね。

でも、時々テクはあるけど、こいつのギターは聴きたくねぇなぁ、あわせたくないなぁってギタリストたまにいるからねぇ。ま、それは私の好みの問題か(笑)。

テレキャス? ストラト? レスポール?

それはともかくとして。
鮎川誠、ピーター・バラカン、大友博の3人の対談も面白いし、土屋アンナのギタリスト論もなかなか面白い。そうそう、お上手なだけのギターはいらないのよ。
ま、ヘタなだけなのも問題外だけどさ(笑)。

萩原健太による3大ギター論も、ギターフリークならずとも読み甲斐あり。
あなたは、レスポール派?ストラト、それともテレキャス派?

私は断然、テレキャス派。
ベースで言えば、おそらくはプレシジョンベースのようなものだと思うんだ。

ちょっと前の私はジャズベース派だったけれども、この楽器のオールマイティさは、ギターでいえば、ストラトキャスターに通じるものだと思う。
レンジが広くて、色々な音楽にツブしが効きそう。いわば、優等生タイプ。

しかし、テレキャスに惹かれるようになったのは、私のプレシジョン好きとリンクしていると思う。基本的には音色が一種類。シンプル過ぎてゴマカしが効かない。あとは、この頑固で無骨で愚直な楽器を乗りこなすのは、お前次第だぜ!ってタイプのプレシジョンベースに惹かれはじめて今日にいたる私は、テレキャスターの無骨さ、弾き手の個性をそのままダイレクトに増幅してしまうところに惹かれてしまうのだ。

それはともかく、3000万円の60年製レスポール・スタンダード、オークションでは1億円の値のついたクラプトンが所有していた黒のストラトキャスター(57年)、350~500の値のついている52年製のテレキャスの写真は、一見の価値アリです。

もはや美術品?!

このギタリスト特集号、早々に書店の店頭からは姿を消してしまう可能性があるので、興味のある方はお早めにお買い求めを。

記:2006/09/25

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