花と蛇2 パリ/静子/試写レポート

      2018/01/09

hana

有刺鉄線デスマッチ。
電流爆破デスマッチ。
ノーロープ有刺鉄線金網電流爆破デスマッチ。
有刺鉄線バリケードマット・ストリートファイト・トルネードデスマッチ。

もっと色々あるんだけど、まぁ要するに、大仁田厚が過去に行ったプロレスの試合の名前を適当に列記してみた。

ご覧のとおり、過激さが回を重ねるごとに次第にエスカレートしてゆく。

過激にしないとファンは満足しないから?

もちろん、それもあるだろうが、過激にしないと満足出来なくなるのは、むしろ、ファン以上に送り手側の思い込みもあるのではないだろうか。

前回よりも緩いと、ファンが離れてゆく。
ファンの期待に応えなければ、いや、ファンの期待を上回らなければ……。

だから、どんどんエスカレートしてゆく。
肉体の限界に挑むかのように。
というよりも、肉体よりも、まずは煽り、掴みのキャッチフレーズ。その後、じゃあどう肉体と折り合いをつけてゆこうかな、という気がしないでもない。

これを繰り返すと、客の好奇心は、「今度はどんな過激さなのかな?」とキーワードのほうに向けられる。

杉本彩が過激なSMに果敢に挑戦!がウリの『花と蛇』の第2弾も、それに近いものを感じてしまう私。

前作の『花と蛇』を観ていない私が、あまり知ったかのような言い方をするのは憚られるが、それでも、パンフレットを見ると、今回のウリは、「プレイの内容が前作よりも、より一層過激になった」ということがしきりに強調されていた。

で、ほんと、その通りなのだろう。
大仁田プロレスもSMも肉体を酷使するという点では共通しているからね。
「どこまで酷使するのだろう?」という分かりやすい好奇心のタネを提供できる題材ではあるよね。

私はSMには興味がなく、その気もないので(あったりして)、詳しいことは分からないが、今回の過激な「遊戯」のウリは「剥き海老ころがし」や「ぶっち貝の図」のようで(スゴいネーミングだな)。

それに、悦楽と退廃のステレオタイプなイメージの、フランス=パリを舞台にして、今回も前作を上回る過激なSMっす、な感じな映画でした。

やらしいというよりは、うぉぉすげぇ、って感じ。
もっとも、ストーリー自体は、適度なメリハリと起伏があり、単なるエロのための映画というわけではありませんでした。

宍戸錠がなかなか良い味出していましたね。

まあ個人的な感想ですが、全体的に漂うプレイは、エロスというよりかは体操。
「今度はどんな過激な縛りとプレイなのかな?」と前作を観た大半の客の好奇心はそちらの方向に向けられるのだろう。

さて、お次の第3段は、どういう縛りがウリなんでしょうか?(売れれば、当然第3弾もありますよね? で、さらにエスカレートしていきそうw)

観た日:2005/04/01
 

movie data

原作:団鬼六
監督・脚本:石井 隆
出演:杉本 彩、遠藤憲一、不二子、荒井美恵子、宍戸錠 ほか

記:2005/04/06

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