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プレイズ・タッド・ダメロン/バリー・ハリス

プレイズ・タッド・ダメロン/バリー・ハリス

Plays Tadd Dameron

ビバップを代表する作曲家、ダメロン

このバリー・ハリスのピアノトリオ作品を聴くたびに、タッド・ダメロンというピアニスト兼作曲家は、ビバップの「気分」を上手に映し出したミュージシャンなのだということを改めて思い知らされる。

いや、逆かもしれない。

タッド・ダメロン作曲のナンバーが醸し出す「気分」こそが、ビバップ特有のムードを形成する一助となっていたともいえる。

それだけ、ダメロンが作り出す曲は、ビバップ期に活躍したジャズマン、すなわち、チャーリー・パーカー(as)やディジー・ガレスピー(tp)にとって不可欠な演奏の「素材」であり、火花飛び散るアドリブのインスピレーションの源であったといえるだろう。

もちろん、パーカー、ガレスピーのみならず、バド・パウエル(p)も、ファッツ・ナヴァロ(tp)も、そしてマイルスもダメロンのナンバーを好んで演奏し、これらの音はまぎれもなく、ジャズがホットだった「ある時代」を象徴する音だった。

しかし、いかんせん個人の技量が重視されるビバップにおいては、曲としての充実度よりも、むしろそれを叩き台にしたアドリブのほうに耳が傾いてしまう。

よって、アドリブのエキサイティングさに目を奪われ(耳を奪われか)、肝心な曲そのもの良さや構造にまではなかなか思いをめぐらせるタイミングというものがないのも事実。

だからこそ、バリー・ハリスが端正なピアノで、ダメロンの曲の素晴らしさを提示してくれた。

端正かつ敬愛の念がこもったピアノ

必要以上に自己主張することなく、あくまでダメロンへの敬意をこめて、彼が造りだした曲の輪郭を、骨格を、落ち着いたピアノで味わい深く、丁寧に照らし出している。

だからこそ、ハイスピードでめまぐるしく耳の中を通り抜けていったダメロンのナンバーをじっくりと反芻しながら味わうことが出来るのだ。

ダメロンへの深い敬愛の念がなせる業だろう。

リラックスして聞けると同時に、ピリッと一本スジの通ったピアノトリオだ。

記:2019/05/30

album data

BARRY HARRIS PLAYS TADD DAMERON (Xanadu)
– Barry Harris

1. Hot House
2. Soultrane
3. The Chase
4. Ladybird
5. Casbah
6. If You Could See Me Now
7. The Tadd Walk
8. Our Delight

Barry Harris (p)
Gene Taylor (b)
Leroy Williams (ds)

1975/06/04

YouTube

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