カズサビーチ/山本一力

      2018/04/13

カズサビーチ

どんなに歴史が嫌いな人でも、どんなに社会や歴史の授業は寝ていた人でも、幕末にペリーが浦賀に来航したことぐらいは知っているよね?

そして、日本史を習っている人だったら、ペリーが来航する前にも、リーフデ号やフェートン号など、様々な国の外国船が日本にやってきて開国を求めていたということも知ってるよね?

さらには大学受験で日本史を選択している高校生は、薪水給与令や無二念打払令(異国船打払令)などという言葉や、江戸時代の外交史も知っているはず。

そんな背景を知った上で、山本一力・著の『カズサビーチ』を読むと、さらに面白いと思います。

「カズサビーチ」なんてカタカナ表記を見ると、いったいなんのことかいな?と一瞬思ってしまうかもしれませんが、「カズサ⇒上総」と分かれば、少しは興味がわいてくるかも。

もちろん、日本史の教科書には出てはこない幕末の話ではありますが、感動的長編であることには変わり有りません。

日本近海を捕鯨で訪れたアメリカの船「マンハッタン号」は、遭難した日本人(銚子湊の船頭・船員)11名を救助。しかも船の定員をオーバーするくらいの漂流者を助けます。

すると、船に積んである食料や水が底をついてしまいます。

これでは母国・アメリカに帰れません。

ですので日本に寄港し、燃料や食料水などを供給してもらわなければなりません。

しかし当時の日本は鎖国中。
下手に近寄ったら砲撃に会う可能性だってあります。

そこでとったクーパー船長の決断とは?

歴史には登場しない話ではありますが、リーダーの決断や考え方などがとても参考になる本なので、歴史好きはもとより、組織のリーダーも紐解くべき本であると言えましょう。

船長以下、マンハッタン号の船員たちは、日本人に対して劣等国民を見るような視線や態度ではなく、きちんと敬意を払っているところが日本人としては何より嬉しい。

記:2017/01/09

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