ラヴ・コール/オーネット・コールマン

      2022/08/31

隠れた硬派傑作

硬派である。

タフである。

骨太である。

パワフルである。

ピアノレスである。

ぶっきら棒でもある。

リズムがへヴィである。

オーネットが力強く逞しい。

テレレ・テララはタイトル曲は、
手抜きと紙一重なオーネット旋律。

デューイ・レッドマン奏でるテナーは、
このサウンドのテイストの中においては、
なくてはならない音響効果の役割をも担う。

エルヴィンのドラムが空間を重たくひっぱたく。
ジミー・ギャリソンのベースのガリリとした低音。

ブルーノートだからこそ出来た、この迫力サウンド。
ガッシリとした、男気溢れるたくましい音世界を描く。

なんだか、これを「好きだ」と胸を張っていえる自分が
とても愛おしく感じられ、かつ通な気分にもさせてくれる、
そんなアルバムが、隠れた硬派傑作『ラヴ・コール』なのだ。

これが気に入った人は、同日録音のトラックが分散収録されている
姉妹盤の『ニューヨーク・イズ・ナウ』にも耳を通して欲しいと思う。
両盤ともに、デンジャラスなパワーとともに、不思議な解放感も味わえる。

記:2009/12/20

album data

LOVE CALL (Blue Note)
- Ornette Coleman

1.Airborne
2.Check Out Time
3.Check Out Time (Alternate Version)
4.Open to the Public
5.Love Call
6.Love Call(Alternate Version)
7.Just for You(CD Bonus Truck)

Ornette Coleman(as,tp)
Dewey Redman (ts)
Jimmy Garrison (b)
Elvin Jones (ds)

1968/04/29 & 05/07

追記

《チェック・アウト・タイム》にも注目(注聴)してみよう。

オーネットに次ぐデューイ・レッドマンのテナーサックスソロから俄然演奏が面白くなる。

加速してゆくリズム。

エルヴィンのシンバルワークがより一層鋭くシャープになってゆく。

鋭利なシンバルに、デューイの怪獣のような咆哮。

独特なムードに大興奮です。

デューイのソロに刺激されたのか、再び舞い戻ってきたオーネットのアルトサックスのアドリブは、前半よりも冴えわたっています。

さらにますます大興奮。

記:2016/02/08

 - ジャズ