そこはかとなく面白い『間宮兄弟』

      2018/01/09

mokutan

じわりとくる

先日、『間宮兄弟』を家族で観ましたが、良かった。面白かった。

一昨日、家族で観た、『ペイ・フォワード』より、こちらのほうが、ジーンときた(笑)。
じわりとくる。

鑑賞後、客観的な気持ちになれば、間宮兄弟って、そうとうにヘンな兄弟ではあるのですが、「なぁんか、いい感じでもあるよねぇ、こういう兄弟もアリかもね」と思わせてしまうところは描き方が良いからでしょう。

「こんな兄弟いねぇよ」とか、「いるいる、こういう兄弟」といったリアリティ云々に関しては、私にとってはどうでもいいことなの。

映画なんだし。
いや、それ以前に、小説なんだし。

どんな突飛な内容でも、どんなありえない設定でも、それをどう面白く、
どう悲しく描いているかのほうが私にとっての関心。

そう、ジャズといっしょですね。
題材よりも表現の切り口、方向、内容に関心が向いてしまうのです。

どーでもいいことが面白い

私の場合、やっている曲(素材・題材)よりも、どういう演奏をしてくれるかのほうに興味があるの。

もちろん、素材・題材にも興味あるし、素材・題材が興味の入口ってことも多いけど。

で、この映画の場合、おかしくて、やがて悲しきというか、独自のさらっとした哀愁があってなかなか見せてくれました。

森田芳光監督の、『のようなもの』『家族ゲーム』『メインテーマ』チックな、少々エキセントリックなテイストがさりげなく出ていて、それも個人的なツボにはまった要因の一つ。

息子は、森田監督の『家族ゲーム』が大好きで、何度も見返しているようですが、『家族ゲーム』ほど露骨ではないにせよ、ソフトにさりげなく、森田臭の漂う画面、間を楽しんでいたようで、終始、ニタニタと笑っていながら、「ツボおさえてるよ、これ」と、ことあるごとに画面を指さしてました(笑)。

このオタク兄弟が楽しそうに自転車を疾走させ、どうでもいい雑学の知識を楽しそうにやりとりするシーンがこの作品のひとつのクライマックスではあるんだけれども、そのどうでもいい雑学知識に身を乗り出して、「知ってる、知ってる、オレも仲間に入れて!」と身を乗り出す俺って、
なんというか、……嗚呼、人並みに結婚できてよかった(笑)。

記:2008/01/28(from「趣味?ジャズと子育てです」)

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