M/D マイルス・デューイ・デイヴィスIII世研究/菊地成孔・大谷能生

   

まだ読んでないけど、凄いに決まってる。

最近発売された、菊地成孔&大谷能生コンビの新刊『M/Dマイルス・デューイ・デイヴィス3世研究』。

M/D マイルス・デューイ・デイヴィスIII世研究M/D マイルス・デューイ・デイヴィスIII世研究

この本、「まだ読んでないけど、凄いに決まってる」。

あ、これ、菊地成孔とよくコンビを組んでいる大谷能生の新刊、『大谷能生のフランス革命』の帯に書かれた菊地成孔からの推薦文そのまんまなんだけども、私は、この本も、そっくりそのままその言葉が当てはまると思う。

大谷能生のフランス革命

この圧倒的なボリューム、パラパラとめくるだけで、ページから伝わってくる熱量、これは、ただごとではない。

じっくり、腰を据えて読みたい本。

ゆえに、いまだ積ん読状態。

今、読みかけ中の何冊かを読み終えたら、さっそく読みにかからなければ!

『東京大学のアルバート・アイラー』にハマった人は、きっと面白くよめる、はずだと思う。

面白い!まだ読んでいる途中だけど。

で、数日が経過し、少しずつ読んでいるが、面白い。

昨年NHKの教育テレビで放映されたマイルス番組で菊地成孔が語っていたマイルス観を理解したうえで読んでいるので、すいすい頭にはいってくるし、たまらなくエキサイティングな内容だ。

そして、欄外の脚注も注意深く読むとけっこう面白い内容や目からウロコな内容も多く、なかなか楽しめます。

たとえば、目からウロコな脚注の一つとして、昨日目からウロコが落ちたのは、ジョン・ルイスに関しての考察。

(ジョン・ルイスは)ジャズ界屈指の奇人。あえていっさいの説明を割愛するが、ジョン・ルイスにもっとも近いパーソナリティを持ったジャズメンと言えばサン・ラしかいない。ジョン・ルイスの燕尾服はサン・ラの土星服と変わらないし、ジョン・ルイスにおけるバッハが、サン・ラにおけるデューク・エリントンである。モダン・ジャズ・カルテットが「上品で高級な、大人のジャズ」であることは一面の事実に違いないが、奇人が生み出した、かなりマニエリスティックな発明品であるという見方が、我が国においては極端に欠けている。

なるほどねぇ、そういう視点で見ると、私の中のMJQ風景が塗り替わり、それはそれで非常に面白い。

そんな興味深くも面白い話が無数に散りばめられているこの本とつきあうにあたり、

ひとつツラいことがある。

そのツラいこととは、束が厚いので読んでいるときに手首が疲れるってことぐらいかな?(笑)

記:2008/05/15

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