映画版『爆竜戦隊アバレンジャー』と『仮面ライダー555』

      2019/08/28

saiga

アバレンジャー&555

息子と一緒に『劇場版 爆竜戦隊アバレンジャー DELUXE アバレサマーはキンキン中!』と『劇場版 仮面ライダー555(ファイズ) パラダイス・ロスト』と、を観に行った。

お盆休み中は、結構頑張って仕事をしていたので、そのぶんの代休を一日もらって平日に行った。

だから、映画館はガラガラ。リラックスして観ることが出来た。

結論からいうと、『アバレンジャー』は面白かった。

しかし、『仮面ライダー555』はつまらなかった。

情報量

まず『アバレンジャー』のほうから。

テレビ版の小気味良さをベースにした面白さのバージョンアップ版といった感じ。

映画ならではのサービスも随所にさりげなく付加されていて、エンターテイメントに徹したこのサービス精神は、ストレスなく楽しめる内容だった。

問題なのは『555』。

これは、とにかく新しい仮面ライダーや新しいアイテムを登場させるためだけの器といった感じで、なんだか、「あれも出ます、これも出てきます、この人はこうでした」という情報を詰め込みすぎで、ストーリーのためのライダーというよりは、情報のためのストーリーといった感じ。

TV版とは違った設定とストーリーとなってはいるが、いかんせん設定もストーリーも脆弱過ぎるので、せっかくの新しいキャラや新事実が生かされていない。

無駄にアイテムやライダー出てくるし、無駄に人が死ぬ。

「この人は、テレビではこうだけど、映画だとこうなんですよ」という以上でも以下でもない内容。

もちろん登場するライダーはみなカッコイイし、映画で初披露の変化やおそらく映画だけにしか登場しないライダーもいた。

しかし、ブスが着飾ってもやっぱりブスはブスという事実は変わらないように、あるいは、新鮮じゃない魚や野菜はどう調理してもマズいように、いくらアイテムや登場するキャラクターが魅力的でも、ストーリーと設定という基本的なバックボーンが脆弱だと、面白さも半減だ。

仮面ライダーサイガ

その点は、アバレンジャーとは対照的だ。

アバレンジャーは、『555』に比べると情報量が少ない。

しかし、少ない手持ちの駒をとても有効に最大限に生かそうというスタッフの意気込みが感じられる。

逆にファイズは、手持ちの駒が多すぎて、すべての駒を有効に生かしきれていないもどかしさを常に感じる。

この生かせなさは、時としてストーリーの足を引っ張ることすらあり、TV版を見ていても、「説明や描写は省略されっぱなしで話が進行しちゃっているけど、結局、実はあのとき何が起こったわけ?」ということもある。

映画版『555』の唯一の救いは、ピーター・ホー演じるレオが変身する“サイガ”がカッコよかったことぐらいか。

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仮面ライダーサイガには、ペプシマンやガンダム08小隊に出てくるEz-8に通ずるクールさを感じる。

あるいは、まぁ『555』に登場するライダーは、皆、目が無いため無表情なのだが、特にサイガの無表情さ、そして精悍なルックスは、あのペプシコーラのキャラクター、ペプシマンにも通ずるカッコよさがある。

記:2003/08/30

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