カフェモンマルトル

text:高野雲

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犬猫/試写レポート

      2016/04/29

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榎本加奈子と、藤田陽子。

一つ屋根の下で暮らすことになった2人の女性の微妙な温度や空気感を非常に丁寧に描いている映画だと思った。

表情のアップや、細かいカット割りはあまり無いぶん、固定のカメラが捉える、2人の動きと間、そして2人の間に漂う微妙な空気を非常にうまく捉えている。

性格は正反対なんだけど、好きになる男のタイプは一緒。
幼なじみで、仲が良いとはいえなくて、でも、根本のところは仲が良いんだろうけど、やっぱり、嫌いで、認めたり譲り合っている部分もあるんだけど、でも、なんとか女友達同士をやっています、
みたいな。

この、微っ妙~な、女性同士の温度感が、
二人の微っ妙~な演技で、微っ妙~な空気感を醸し出していて、面白かった。

話の進行はスローだし、これといって、クライマックスめいた大きな事件というものはない。

映画のパンフレットや、ホームページのトップの画像にも縁側に座る2人のショットが使われているが、ある意味、縁側がこの映画を象徴しているともいえる。

起伏の少ない穏やかな日常を彩るのは、緩い太陽の光。
縁側でまどろんでしまうほどの、心地よいヌルさをたたえた日差し。

私は、映画の技術的なことはよく分からないし、照明のこともさらによく分からないが、でも、この映画の「光」は大好きだし、結構、このニュアンスを出すのって大変だったんじゃないかと思う(カンタンだったりして)。

静かな心地よい日差しの中、あまりの心地よさに寝てしまう人も多いかと思われる。

眼鏡をかけて、なんとなく暗くてダルい雰囲気をかもし出していた榎本加奈子が好演。
脱力具合の心地よい忍成修吾も好演。主役の『ガチャポン』よりも、こちらの忍成クンのほうが数倍良い。

観た日:2004/10/08

movie data

監督・脚本:井口奈己
製作国 : 日本
製作年 : 2004年
出演:榎本加奈子、藤田陽子、忍成修吾、小池栄子、西島秀俊 ほか

記:2004/10/1

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