カフェモンマルトル

text:高野雲

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最終回~地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子

      2017/05/23

あっという間に最終回

無難に終わりました、『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』。
あっという間という気もしましたね。

出版という地味な仕事を題材にし、さらに校閲というますます地味な職種を扱ったドラマではあったけれども、最近の出版系のドラマの中では面白かったです。少なくとも「書店ガール」や「重版出来」に比べれば。



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少しずつ自然に変化してゆくキャラ

やはり、出版という地味な職業が題材のドラマって、エピソードそのものも地味な物になりがち。

基本、人は死なないし、犯罪や大金もからまない。

陰謀や利権といった世界とも無縁だし、もちろんヤクザや犯罪とも無縁の世界ですからね。

あるとしたら、中学生のようなプチ恋愛的な要素のみ。

だからこそ、派手な絵作りは難しいだけに、あとは演出と役者の演技次第になってしまう。

その点、主演の石原さとみは、主人公の高野悦子を楽しく彩ってくれたし、菅田将暉のゆる~いキャラも、石原さとみと良い対比をなしていたと思います。

おそらくこれは演出、演技の勝利でしょうね。

エピソード的にも出版業界的には大事なことかもしれないけれども、それほどスケールの大きな話はなく、むしろ地味なエピソードの集積(先述したとおり「プチ恋愛」レベルが話のスパイスになっていた程度)。

そんな中でも、回を追うごとに、貝塚‟タコ”八郎や本田翼、藤岩りおんらのキャラのトゲトゲしさが少しずつとれ、丸みを帯びてくる。

大きなエピソードがないかわりに人間の細やかな変化の演出を少しずつ変えていく配慮が、最後まで飽きずにみつづけられた面白さのポイントだったのかもしれません。

謎の岸谷五朗

とはいえ、校閲部の部長・岸谷五朗は、謎キャラでしたけど。

恋愛小説家(伊藤かずえ)と過去のエピソードが明かされるエピソードもあったけれども。

また、一人暮らしで植物に声をかけたりしている優雅な独身貴族という描写もあったけど、彼の本心というか本音みたいなところが、いまひとつよーわからない。

丁寧な言葉遣いと立ち居振る舞いそのものが彼の人間性そのものだったのかもしれないけれども、それはあくまで建前というか、公の顔で、どこか仮面をかぶっているような気もしないでもない。

そう考えるのは穿ちすぎなのかな。ま、基本的にはストーリーの骨格をブラさず視聴者に伝えるためのストーリーテラーとしての、ストーリの骨のような存在だったのかもしれませんね、位置付け的には。

記:2016/12/08

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