列車に乗った男/試写レポート

      2018/01/09

ressya

『髪結いの亭主』のパトリス・ルコント監督の最新作品の『列車に乗った男』。

これは、なかなか心の中に静かに沈みこんでくるような良質な作品だと思った。

むせびなくようなギターとアンニュイな画面。

これだけでも映画の中の「世界」に引き込まれてしまう。

カメラワークも秀逸だし、深みのある映像も美しい。

強盗と文学の元教授。

まったく違う人生を歩んできた、まったく違うタイプの男同士の交流が淡々と描かれる。

ストーリーは静かに進んでゆくが、画面の美しさと、役者の存在感もあり、まったく飽きることがない。

個人的には、ラストのシーンが印象に残った。

交錯するまったく違う道のりを歩んできた男と男の人生。

列車からおりた男、新たに列車に乗った男。

観終わった後に静かな余韻が残る、味わい深い作品だ。

movie data

製作年 : 2002年
製作国 : フランス
監督 : パトリス・ルコント
出演 : ジャン・ロシュフォール、ジョニー・アリディ、ジャン=フランソワ・ステヴナン、イザベル・プチ=ジャック ほか
配給 : ワイズポリシー、アーティストフィルム
公開 : 2004/04/10~
観た日:2004/03/23

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記:2004/04/12

 - 映画