カフェモンマルトル

text:高野雲

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『海へ -See You-』鑑賞記

      2016/12/14

そこそこ作品

ここのところ、なぜか健さん(高倉健)の映画ばかり見ている。

ま、スネークマンショー的に言えば「いいものもある、だけど、悪いものもある」って感じだけど、「悪いもの」といってしまうと言い過ぎですな。

「悪いというよりは「そこそこ」のもの問いった方が良いのかもしれない。

その「そこそこ」に感じざるを得ない作品が『海へ -See You-』だ。



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長いわりには……

倉本聰が脚本ということや、いしだあゆみや小林稔侍など、健さん作品には馴染みのある顔ぶれで、しかも題材がパリ・ダカールラリーと壮大なテーマということからも期待感が膨らむが、うーん、じつは、そうでもなかった(苦笑)。

一言で言ってしまえば、いたずらに長い。

もちろん、砂漠を疾走するパジェロなど車の姿は圧巻なんだけどね。
上映期間中にスクリーンで見たら大迫力だったにちがいない。

しかし、なんだか3時間弱という長さの割には、その長い時間がもたらす「感動」のようなものはそれほどないというのも事実。

1983年の『南極物語』では、南極ロケ。
1988年の『海へ 〜See you〜』では、ダカールやフランスなど複数での海外のロケ。

製作にかかる膨大な予算を捻出するためには、やはり「海外の壮大なスケールの自然+高倉健」というのがスポンサーを納得させる大きな企画の目玉だったのかもしれない。

両作品ともに、健さんは相変わらず渋いのだけれども、別に主役が絶対的に健さんである必然性もないような役なのでは?という気がするし。

しかし、興行としての映画の集客、それ以前に話題作りと注目を集めるためには、やはり健さんである必要があったのかもしれない。

北海道

紅白歌合戦をすっぽかして恋人を追いかける桜田淳子に、離婚しまくる元・健さんの妻・いしだあゆみ。
この2人の主要女性キャラなんだけど、奔放なんだか非常識なんだか、よ〜わからん女性のキャラ設定もなんだかなぁって思ったが、ただ、桜田淳子と故郷の話をするところがあって、うーん、やっぱり出た!北海道(笑)。

たしか中標津出身だったっけかな?

やっぱり倉本聰は北海道。
やっぱり雪の似合う俳優、健さんならではの北海道。

なんか砂漠のど真ん中で北海道の話題が健さんから出てくると妙に落ち着く自分がいる(笑)。

『海峡』とか『夜叉』を観た後ということもあるからかな。
香料とした北海道の冬景色、雪と荒れる海、健さんの世界が染みついた直後に乾いた灼熱の砂漠の映像を浴びてしまったためか、この北海道の話題は、まるで砂漠の中のオアシスのようだった。

やっぱり健さんといえば、落ち着くトコロといったら北海道なんかなぁという思いがますます強くなった映画でありました。

記:2016/12/09

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