カフェモンマルトル

text:高野雲

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シュリ

      2016/03/24

shiri

遅ればせながら『シュリ』を観た。

2回観た。

レンタル屋で借りて観た。

畳み掛けるようなテンポで、次々とシーンが軽快に切り替わってゆくので、テンションを持続させたまま、一気にラストまで観ることが出来た。

一つのシーンに飽きる前に、ポンポンとシーンが切り替わり、ストーリーがぐんぐんと進行してゆく様は、まるで「わんこ蕎麦」を食べているときに、つぎつぎと蕎麦をお椀に入れてくれるお姉さんの手さばきのようだった。

だから、とてもわんこ蕎麦を食べたくなってしまったのだが、東京には越後の「へぎ蕎麦」の店は数店あるが、わんこ蕎麦を食べさせてくれる店は知らないし、盛岡まで行くには、お金も時間もないので、近所のスーパーで売っている「十割蕎麦」で我慢することにした。

わんこ蕎麦のように喉越しを楽しむことに重点を置くとしたら、十割蕎麦よりもへぎ蕎麦のほうが良いことは分かっている。なんといっても、つなぎに「ふのり」を使っているので口と喉の感触が「つるつる・もちもち」なのだ。

しかし、食事のシーンを見てしまったので、腹も減ってきたのだ。

だから、喉越しよりも、満腹感を選択することにした。

この「十割蕎麦」、量は少なくて値段もちょっと高いのだが、さすがに蕎麦粉100%でつなぎが入ってないだけあって、口に入れたときの重量感溢れる食感が抜群。

しかも蕎麦湯がドロッとしていて良い。まるで粘土を水に溶かしたようなドロドロさなので、蕎麦を全て食した後の蕎麦湯もかなり楽しめる。

蕎麦湯を飲みながら「あ~、うめぇなぁ~」と言うことが大好きな私にとっては、とっても有り難い蕎麦なのだ。

『シュリ』という映画、個人的にはとても楽しめた。

韓国の映画を観るのは始めてだが、一番ビックリしたのは、女性がみんな綺麗だということ。

みんな綺麗でスタイルが良い。

もちろん出演しているのは役者なんだから当たり前だといえば、その通りなんだけど(主演のキム・ユンジンはブロードウエイでの活動歴アリの本格派)、「デヴ指数」「イモ指数」は日本の女優の方が高いのではないか?

もちろん、この一本の韓国映画だけを例にあげて、韓国の女性はみな綺麗なのだと結論づけるわけではない。先述した通り、出演している人は、エキストラを3000人も使ったとはいえ、殆どがプロの役者なわけだし、キャスティングが良かったということも考えられる。

しかし、少なくとも『シュリ』という映画だけに限っていえば、出演している女性が皆綺麗だった。この一点だけを取っても、『シュリ』という映画、観て損はしなかった思う。

例外として、テレビのキャスターはちょっといただけなかったが、後はヒロインのキム・ユンジンはもとより、レストランのウエイトレスや、「きゃー、きゃー」と逃げまどうエキストラの女の子までが、みんな綺麗なのにはビックリ。

個人的な話になってしまうが、私は、不機嫌な顔がサマになる女性が大好きだ。

不機嫌な顔も美しい女性に惹かれてしまう性質なのだ。

もちろん、それ以前に笑顔が素敵なことが大前提なんだけど。

また、いくら不機嫌顔が好きだとはいえ、「ブスッ」としたときに、本当に「ブス」になられちゃうのもゴメンだ。それは、誰だって興醒めだよね。

こういうのは、「ブスッと」ではなく、「ブス」という。

うちのカミさんもアメリカで最初に出会ったときも、まるで地球の北半球すべてが低気圧に覆われたかの如く不機嫌な(ちょっと京極夏彦風)顔をしていたが、そんな彼女の「素敵な不機嫌顔」に惹かれて、私は彼女と結婚した。

最近の女優では、不機嫌顔の美しい黒谷友香がポイント高いと思っている。

そういえば、ヒロインの北朝鮮の凄腕女スナイパー、イ・ハンビの役のキム・ユンジンも黒谷友香に似ていたな。

痩身で華奢な彼女に、シュタイアーAUGは良く似合う。

『ニキータ』という映画もそうだったけど、このオーストリア製のシュタイアーAUGという小銃は、つくづく女性に良く似合う銃だと思う。

本来は、狙撃には向かない短距離用の銃なんだけど、サマになっているから許しちゃおう。

だって、ラストのクライマックス、カッコ良すぎですよ。

不機嫌な表情もサマになる美人が、右肩から出血した大量の血を薄いベージュのコートに滲ませて、小銃片手にサッカーの競技場の群衆の中を駆け抜けてゆくシーン。

「美人・血・小銃」の絶妙な組み合わせがテンションの高い美しさを醸し出していた。この映画の主人公で、彼女の婚約者でもある、ハン・ソッキュ(島田伸助似)と銃を構えて向かいあった時の表情も、哀しく美しいです。

べつに私は「血」も「銃」も好きじゃないけど、こういった殺伐とした要素すらも自らの美しさとして取り込んでしまう美人は素敵だ。

この『シュリ』という映画、最近デブッてきたカミさんに、もっとキムチ喰わさんといかんなぁと思わせてくれたという点をとっても、個人的には評価の高い映画だったと思う。

「おまえ、もっとキムチとか喰って痩せろよ」と帰宅した女房に開口一番言ったことは言うまでもない。

「なに?カプサイシン効果のハナシ?」と聞きかえしてきたので、私は『シュリ』に登場する女優の話を簡単にした。

「そうそう、韓国に行ったとき思ったけど、向こうの女の人って、みんな痩せてて綺麗なのよね。そういえば、韓国の女性って、靴を履くときに唐辛子を2個、靴の底に入れているんだって。それで足の匂いも軽減されるし、痩せる効果もあるんだって。」

へぇ、靴の下にね。それは知らなかった。

そして、不機嫌な顔のカミさんは、「私もやってみようかしら。」と言った。
うむ。良い心がけである。

記:2001/10/29

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