『真田丸』の淀殿・竹内結子

      2017/05/23

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oosakajyo

竹内結子

竹内結子は年齢とともに女としての迫力のようなものを身につけてきている女優だと思います。

ドッシリと肝がすわっているというか、修羅場を潜り抜けてきたオンナとしての重厚さのようなものが滲み出てきているというか。

もちろん、結婚前の『いま、会いにゆきます』の若々しさは永遠に記憶されるべきでしょう。

しかし、この映画で共演した中村獅童と結婚し、出産し、夫の不倫で離婚した後ぐらいから、佇まいが変化してきたように感じています。

一言でいえば、重厚な迫力がじわりと滲みでるようになったというか。
それは、べつに顔の輪郭がふくよかになってきたとか、そういう外見的なことではありません。

離婚後、出産した子どもをシングルマザーとして育てている彼女。

女優として第一線として頑張るかたわら、プライベートでは母親でもある彼女は、生きることに対しての真摯さが増した女としての覚悟というか、安易な気持ちで近づくとヤケドをしそうなオーラをまといはじめ、現在に至っていると感じています。



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三谷的キャラ造形

そんな竹内結子が現在演じている『真田丸』の淀殿は、一言でいうと(一言ではなかなか括れないけど)、掴みどころのないキャラと言えましょう。

今まで様々な映画やドラマに登場した淀殿(淀君)とは一味も二味も違うことは確か。

脚本家・三谷幸喜は、歴史ものにおいては従来の視聴者が抱いていたイメージを変えたり、独自の解釈を面白おかしくブレンドさせてしまう脚本家でもあるので、「ほほぉ今回はそう来たか」と思ったものです。

もし、竹内結子が演じている淀殿のキャラが三谷幸喜が思い描くイメージを100パーセント具現化していたとしたら、それはかなり難しい仕事をこなしていると思われます。

深読みせざるをえないキャラ

一見何を考えているのかわからない風情。
人としての感情を外に出さない。

それは、腹が座っているともとれるし、諦観ゆえに本心を覆い隠しているようにも見えます。

あるいは意図的に本心を隠しているわけではなく、ストレートに喜怒哀楽を表現できなくなってしまっているのかもしれない。

それは、実の父・浅井長政の小谷城、そして次の父・柴田勝家の北ノ庄城落城と2度も落城から落ちのびるという辛さを経験し、さらにこの敗戦で父母が死に、妹たちも政治の道具にされ……などという苦い経験、いや地獄を見てきたゆえに、あのように何事にも達観しているかのようなキャラになったのかと、少し歴史を知っている人だったら、彼女の経歴を反芻して視聴者に深読みをさせてしまう設定にしたのかもしれませんね。

だからこそ、視聴者に深読み&納得させ、さらに、悪気はないにもかかわらず、周囲を不幸にしまうという設定もブレンドされたのでしょう。

しかし、どこか投げやりかつ場当たり的で人をけむに巻くようなキャラでありながらも、そのぶん、主役の信繁(幸村)のみに心を開いているという見え方になっている。

これも、三谷幸喜独自の設定なのでしょう。
もちろん、これは推測です。

しかし、もしこのような三谷幸喜の設定を竹内結子が具現化していたとしたら、このような難しい役をこなしている彼女は女優として大したものだと言わざるをえません。

淀殿像

もちろん、『真田丸』の淀殿のキャラクターは、私が考えている淀殿像とはずいぶん異なりますが、そもそも私が考えている淀殿像は、多くのドラマや小説のキャラクターがブレンドされて築き上げられてきたものですし、タイムマシンで過去にタイムスリップできない以上、「本当の」人物など分かりようがないのです。

ちなみに、私が思い描いている淀君像は、『戦国艶物語』の岩下志麻や、『春の坂道』の岸田今日子、あるいは『葵 徳川三代』の小川真由美のように肝の据わったおっ母さんという感じ。
極妻?(笑)

どちらかというと、秀頼の母となり、秀吉の死後、大坂城の実験を握った女帝のイメージですな。

もちろん、女帝として君臨する以前の若かりし日の茶々の時代もあったわけで、『江~姫たちの戦国~』の宮沢りえ等は二人の妹(初と江)を気遣いつつも、姉として必死に生きてゆこうとする姿も、まあこれはこれでアリかもしれないと思います。

この場合は、若い頃の淀殿というよりは茶々時代にスポットを当てた人選と演出なのでしょう。

若かりし日の淀君(茶々)は、戦国時代の美女と称されていた母親であるお市の方の面影を残す美女だったという説もあるわけで、それに則った設定であるとしたら、NHK大河ドラマ『徳川家康』の夏目雅子や、『利家とまつ~加賀百万石物語~』の瀬戸朝香や、『功名が辻』の永作博美や、『天地人』の深田恭子や、『軍師官兵衛』の二階堂ふみ、そしてテレ東の『寧々~おんな太閤記』の吹石一恵だって、それはそれで一つの正解だと思っております。

どの時代のどの彼女を切り取るかによっても、さらにどの立場から見るかによっても、演じる役者や演出も異なってくるのでしょうね。

『真田丸』の竹内結子も、最初は個人的にはかなりイメージが違うぞ?と思ってはいたけれども、これはこれで一つの側面として面白く見ています。
そして、物語もいよいよ大詰め。
大坂城落城の際、果たしてどのような最期の演技をするのでしょうか?

記:2016/11/22

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