カフェモンマルトル

text:高野雲

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コルトレーンとアイラーの違い

      2016/09/25

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アイラーとトレーン

過剰なほどにエネルギッシュなテナーサックス奏者といえば、後期のジョン・コルトレーンや、アルバート・アイラーを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

コルトレーンはアイラーに触発され、アイラーもコルトレーンからの影響を受けていました。

激動の時代、ジャズもどんどん先鋭的かつ過激にエスカレートしてゆく中、まるでそれとシンクロするかのように、この2人が発するサックスの咆哮も大きなヴァイブレーションを帯びるようになり、同時代の人々のみならず、現代の「音聴き者」たちの耳を挑発してやまないのです。

しかし、一見同じように見えるコルトレーンとアイラーのテナーサックスですが、ずいぶんとエネルギーを放射する際のベクトルというか、アプローチは異なっていますね。



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横の情報量・縦の情報量

横の情報量の多さがコルトレーンだとすると、アイラーは縦の情報量が多いテナーサックス奏者なのではないかと思います。

時間軸に沿って(横軸)、シーツ・オブ・サウンズと呼ばれるほど、大量な音符を吹きまくるコルトレーン。
特に後期になればなるほど、その熱量はハンパなく熱くなりますよね。
中空に放たれる音符の量が増えれば増えるほど、演奏時間も長尺化していきました。

その一方で、横方向に流れる時間に沿って音符を敷き詰めるコルトレーンとは、ある意味対極なのがアルバート・アイラー。

同じ熱量、エネルギーで情報過多でありながらも、情報量を凝縮、圧縮して短時間でインパクトを与えるのが、アイラーの縦揺れのバイブレーションなのでしょう。

音符の量は、コルトレーンよりも少ないものの、一音一音に込められた音価、音の情報がスゴい。

ビブラート、フラジオ、グロウル……。

とにかく、一度にたくさんのニュアンスを少ない音に込めまくっているため、かなりこちらにガツーンと迫ってくるんですよね。

もちろん、アルバムにもよるのですが、やはり『スピリチュアル・ユニティ』の
アイラーのテナーサックスが素晴らしいと思います。
サニー・マレイのシンバルの連打も凄いし、ゲイリー・ピーコックのベースは謎だらけ。
グワ~ッ!と、音の洪水が猛烈な勢いで迫ってきます。

シンプルなピアノレストリオという編成なのに、いったい、襲いかかってくる音の情報量の多さはなんなんだ!?

そんなことを考えているうちに、暴風雨のような演奏はあっという間に終了し、静けさの中から生まれるムードは、まるで台風一過のようなのです。

もし、これから『スピリチュアル・ユニティ』を買って聴いてみようと思われる方がいらっしゃれば、ESP50周年記念エディションの「完全版」のほうをおすすめします。

幻の5曲目、《Vibrations AKA [tune Q]2 (Bonus track)》が復活し、収録されています。

8分間のスリリングな演奏。
これのナンバーもまた素晴らし♪

記:2015/07/08

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