バッハの無伴奏チェロ組曲

   

chikuonki

バッハ無伴奏チェロ組曲

チェロを演奏する人や、エヴァンゲリヲンでシンジ君がチェロを演奏しているシーンを見た人は誰もが知っているバッハの「無伴奏チェロ」。

ご存知、ヨハン・ゼバスティアン・バッハの作品です。

長い間、練習曲とされていたこの組曲ですが、チェリストのパブロ・カザルスによって再発掘されてからというものの、チェリストにとっては、避けて通れない、というか誰もが演奏するナンバーになりました。

ですので、特にクラシックに関心の無い人でも、この組曲の中のいくつかのナンバーは耳にしたことがあるという人は大勢いると思います。

無伴奏チェロ組曲 名盤

数え切れないほど多くのチェリストが挑んだ作品なだけに、無伴奏チェロ組曲の名盤の数は両手両足の数では足りません。

しかし、やはり不朽の名演奏といえば、やはりこの「練習曲」に命を吹き込んだカザルスの演奏を最初の1枚に挙げておきます。

もちろん、この曲は、様々な解釈がなされているので、カザルスの演奏だけで満足せずに、様々なチェリストの演奏にも耳を通して欲しいと思います。

無伴奏チェロ組曲 ヨーヨーマ

カザルスの演奏を勧めましたが、アクが強いことは否めません。

深い表現ゆえに、初心者にとっては、ちょっと強烈な第一印象かも。

お酒にたとえれば、原酒。

酒好きにとっては、その強烈な芳香がたまらないのでしょうが、必ずしも万人が飲みやすいものとは言いがたいかもしれません。

そうすると、スッキリテイストで、飲みやすくブレンドされたカクテルのような味わいのチェロも入門には良いかもしれませんね。

では、オススメは?

やはりヨーヨーマの無伴奏チェロでしょうね。

スッキリと書きましたが、決してアッサリ薄口の世界ではありません。

テクニックも表現力も申し分ないのですが「聴きやすい」無伴奏チェロということで、最初にこちらからはいるのも悪くはないかもしれませんね。

無伴奏チェロ組曲 楽譜

楽器をやっている人は、無伴奏チェロに親しんでくると、そのうち自分でも弾いてみたくなるようです。

かくいう私自身もベースで弾いています。

その他、バリトンサックス用やギター用にアレンジされた譜面も出回っていますし、ピアノを弾いている人は、左手だけで無伴奏チェロを弾いて楽しんでいる人もいらしゃるようです。

歴史的にも世界的に有名な組曲なだけあって、多くの譜面が発売されているのですが、なかでも表紙の色合いが美しく、さらにチェリスト以外の楽器奏者も愛用している譜面が、「ベーレンライター社新バッハ全集版」です。

この譜面は、持っているだけで、なんだか一流の楽器奏者になれたかのような錯覚に陥ってしまうかもしれません。単に音を記号で伝えるだけの役割を超え、所有する喜びも十分に提供してくれる譜面なのです。

オーソドックスかつ、音楽の基本中の基本である、バッハの「無伴奏チェロ」ですが、様々な角度から一生楽しめる音楽であることは確か。

じっくり、ゆっくりと、奥深い「無伴奏チェロ組曲」を楽しみ、人生を奥行きのある豊かなものにしましょう!

記:2011/12/03

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