カフェモンマルトル

text:高野雲

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ベースの練習について

      2016/03/15

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ikioi

大前提として、以下のことがらを念頭に入れておくぐらいが丁度良いだろう。

練習は「面白くない」。

そのかわりライブは思いっきり楽しもう。

そして、個人練習に関してだが、

練習とは肉体へのプログラミングである。

ということもアタマに入れておくと良い。

練習という作業はプログラミングの作業に似ている。

しかし、人間は性能の悪いコンピュータでもある。

一回ではプログラムはされない。

だから何度も何度も再インストールを繰り返す。

じっくりと体に覚えこます作業、それが練習というものだ。

「じゃんけんで、負けた私はベーシスト」。

そんな俳句があったかどうかは知らないが、「餅屋は餅屋」、たかがベース、されどベースだ。

この厄介な楽器を乗りこなすには相当の訓練と修養が必要だ。心してかかるべし。

ただし臆することはない。毎日少しずつ、少しずつ練習を重ねていけば半年後には見違える。

継続は力なり。

焦らず、根気よく取り組もう。

そして、もう一つ。

メトロノームの伴わない練習は練習ではない。

メトロノームに合わせて指にしみ込ませる作業を「練習」と呼ぶ。

合わせずにパラパラと弾くことを「遊び」もしくは「自己満足」という。

両者は厳密に区分すること。

言うまでもないが、「自己満足」はあまり良いものではない。

メトロノームは何故必要か。

リズム感を養うということも確かにある。

しかしそれ以上に「苦手箇所を潰す」ことのメリットの方が大きい。

均等に配分された時間内に苦手なフレーズも、得意なフレーズも等しく捩じ込まねばならない。

苦手なところは早く弾いてしまおうという気持ちがリズムを乱す。

逆に得意なフレーズも気持ちが先走り早く弾こうとしてしまう。

このような気持ちの揺れと弱点は、メトロノームをという客観的な計測道具を使わないと中々気が付かない。

そして、とにかく、

反復、反復!!

たった一つのことでも、血となり肉となるまで何度も何度もくり返すこと。

同じことを繰り返すということは、すなわち「磨く」という作業なのだ。

毎日磨いて「艶」と「深み」を出せ。

必殺技は一つか二つあるだけでも凄いことなのだ。

そして、ワンパターンは則ち「個性」でもある。

意味を考えろ。

自分が弾いていることの意味を噛みしめながら弾くこと。

早いテンポでは勢いで「流しで」弾いてしまうので、考えながら弾く余裕がない。出来るだけ遅いテンポを設定して弾くべし。

正直言って忍耐の世界だ。

気がつかなかった自分の弱点や、曲の特徴など見えてくることも多い。

ただし1時間もやる必要はさらさらない。1日3分でもいい。

しかしこの3分は「遊び」の30分にまさる。

やっていることを出来るだけ外の目で客観化してみよう。

ゆっくりと弾くことのメリットを挙げてみる。

メリット1:音の意味を考えながら弾ける。

メリット2:弦のミュートに気を配れる。

メリット3:音程に気を配れる(特にフレットレス)。

メリット4:ポジション移動を考えながら弾ける。

ゆっくり弾く方が難しい。

上記のことに注意を払いながら弾くと、最初は相当に神経を使うことだろう。

体に染み込ます感覚で、一音一音丁寧に弾こう。

これだけ、我慢をして練習を繰り返せば、ライブの時の自信につながる。

間違えたらどうしよう、と緊張したりオドオドしたりする必要がなくなる。

そして、矛盾するようだが、ステージの上では日頃の練習内容をすべて忘れてしまっても構わない。

お客さんと一体となって音楽を楽しむことを優先すべき。

大丈夫。きちんと練習していれば、体が勝手に弾いてくれるようになる。

逆に言えば、それぐらいの境地に至らねば、人様の前でモノゴトを表現すべきでないし、少なくとも自身の「血・肉」となっていない表現に説得力など生まれようハズもない。

ちょっと厳しいかもしれないが、これぐらいのことを常日頃念頭に置いておくぐらいが丁度良いのだと思う。

記:2000/10/27(from「ベース馬鹿見参!」)

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