ビューティ/坂本龍一

      2018/07/19

BeautyBeauty

朝に3曲

坂本龍一の『ビューティ』は、朝に聴きたい。
出来れば早朝のほうが良い。

まだ世の中の空気が動き始める前に、静かにスピーカーから流れはじめる《コーリング・フロム・トーキョー》とシンクロして、意識が覚醒しはじめる。

このようなパターンで静かで1日が始めることが出来れば、結構それだけで気分は静かに幸せだ。

もっとも、2曲目の《ローズ》でちょっとまどろむかもしれないが(ピノ・パラディーノの美しいフレットレスベースが微睡の世界に引き戻す)、《安里屋ユンタ》で、再び周囲の空気が少しずつ動き出す。

夕方聴いて、夜に聴く

いったんこのへんでCDをストップ。

さて仕事に行こう。
夕方までいったん聞くのはやめよう。

そして、夕方。

夕方は、《アモーレ》でたそがれよう。
その前に《フュティーク》で孤独な思索の時間を設けるも良し。

深夜は一人《ジャバラム》のユッス・ンドゥールの深く染み入る声に聴き惚れたり、推理小説を読みながら、バックに《ア・パイル・オブ・タイム》を流すも良し。

《ちんぐさの花》を聴きながら1日の気分の棚卸し。
そしてサミュエル・バーバーの《アダージオ》とともに静かに1日が静かに終わる。

たまには、こんな感じで『ビューテ』とともに1日をおくるのも、少なくとも悪い気分ではない。

坂本龍一の静かな傑作『ビューティ』。
時折思い出したようにCDを引っ張り出して聴いているが、肩の力を抜いて、すっと音に入っていけるアルバムだ。

それにしても、茶色っぽい上半身のポートレイト、そして顔の角度が上向きなところなど、ジャケ写は、マイルスの『イン・ア・サイレント・ウェイ』を意識したのかな?

album data

BEAUTY (Virgin Japan)
- 坂本龍一

1. Calling From Tokyo
2. A Rose
3. Asadoya Yunta
4. Futique
5. Amore
6. We Love You
7. Diabaram
8. A Pile Of Time
9. Romance
10. Chinsagu No Hana
11. Adagio

記:2009/06/23

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