カフェモンマルトル

text:高野雲

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ジョン・リー・フッカーというダーク・マター

      2017/05/19

ジャック・オ・ダイアモンズJack O Diamonds: 1949 Recordings

text:高良俊礼(Sounds Pal)

プライベート音源

ジョン・リー・フッカーの『ジャック・オ・ダイアモンズ』。

これは、1949年、最も初期のジョン・リーの貴重な未発表レコーディングというだけでなく、世に出たのが不思議な程の稀少な稀少なプライベート録音盤だ。



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夕食後に録音

この音源は、あのアメリカンアニメの名作『トムとジェリー』などの制作で有名なアニメイター、ジーン・ダイッチが、デトロイトの自宅でジョン・リーと夕食を食べた後、ジョン・リーがおもむろにアコースティック・ギターを持って唄ったものを録音したもの。

熱心な音楽愛好家であり、ブルースや黒人民謡にも造詣が深かったダィッチは、戦前から伝わる古いブルースやバラッドをジョン・リーにリクエスト。

それに快く応じたジョン・リーが、すこぶる快調な演奏を聴かせてくれる。

素材関係なくドロドロの世界

ジョン・リーの魅力は何といっても、そのドロドロに重たいヘヴィ・ヴォイスと、声同様に耳にへばりついて離れないダークなギターのバッキング、そしてそれらの効果を最大限に発揮させるのが、独特の”タメ”が効きまくった、引きずるようなタイム感にあり、それらは編成が小さければ小さいほど計り知れない威力でもって聴き手の意識を闇に引きずり込むのだが、それはカヴァー曲だろうが、素材が牧歌的な古い民謡であろうがお構いナシである。

ブルースのヤバさ

アコギ1本で、楽曲を全部「ドロドロのジョン・リー節」に解体/再構築して、腹の底から唸るジョン・リーの生々しいブルースの凄まじさは、他の何かに喩えようがない、正にワン・アンド・オンリーのダーク・マターだ。

ブルースの根源的な「ヤバさ」みたいなのに触れたい方にはまずは聴いて欲しい、そしてこの重さに唸って欲しい。

text by

●高良俊礼(奄美のCD屋サウンズパル

記:2014/09/15

 - ブルース ,