イーチ・アイ・ア・パス/ミック・カーン - カフェモンマルトル

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ジャズと映画とプラモの日々:高野雲

イーチ・アイ・ア・パス/ミック・カーン

      2016/02/18

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Each Eye a PathEach Eye a Path

ミック・カーン健在!

前作『ベスチャル・クラスター』から5年の歳月を経て『イーチ・アイ・ア・パス』という新譜が発売されているのを先日タワーレコードで発見した。

ミック・カーンは、何をかくそう、私のベースの原点。

彼がいなければ、いまだに私はシンセサイザーのつまみをいじくっている宅録野郎だっただろう。

素敵な写真とデザインのジャケットを手に取ってみると、ジャケットに貼られたシールにはこのような解説が。

「一本のベースとたったひとつのスーツケースを携え、住み慣れたロンドンを離れてのサンフランシスコへ旅立ち。モダン・テクノロジーの便利さもなく最小限の他者との接触しかない状況下で、自分自身と対峙して書き上げた10曲」

一本のベースとたったひとつのスーツケース……。

うーん、カッコイイ。

それだけで買いだ。

即刻レジへ。

家に帰って早速かけてみるが、前作とはうってかわって静かな印象。

恐らくドラム無しの曲が多いのでリズミックな要素が前作ほど強く感じられないのと、ピアノとバスクラがメインでベースが入っていない曲があったりするからなのかもしれない。

アルバム全体からは穏やかで内省的な雰囲気が漂っていた。

もっとも奇妙なベースは健在だし、何と形容して良いか分からない音楽のマイペースっぷりさは、笑ってしまうぐらいいつものミック・カーン。

なんだか良く分からないけど、とにかくどこにも属さない「世界」のようなものを強引にリスナーに突きつけて、そしていつの間にやら我々の耳を魅了してしまうだけの力強さは相変わらずで、さすがミック・カーンとしかいいようがない。

ジャパンの時ほど派手なベースではないが、それでも作品に漂う強烈な匂い、そしてミック・カーンだけにしか感じることの出来ない独特すぎるベースと作風は健在だ。

じっくりと長い間楽しみたいアルバムだというのが最初に聴いた感想だ。

記:2001/03/12(from「ベース馬鹿見参!」)

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