カフェモンマルトル

text:高野雲

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ベースの弦はフラット派です。

      2017/05/30

フラットワウンド

私がエレキ・ベースで使っている弦はダダリオかロトサウンドの最もゲージの太いやつ。

いずれもフラット・ワウンドだ。

D'Addario ECB80×2SET フラットワウンド エレキベース弦D'Addario ECB80×2SET フラットワウンド エレキベース弦

RotoSound RS77LD フラットワウンド ベース弦 × 2セットRotoSound RS77LD フラットワウンド ベース弦

私の場合、ベースの弦は、テンションがあればあるほど弾きやすい。

したがって、ラウンド弦はよく「しなる」ので、個人的にはとても弾きにくい。

だからここ数年全く使用していない。

弦のテンションが甘いと、弦を切ってしまたり、早いパッセージを弾きにくい。

なぜ早いパッセージが弾きにくいのかというと、トランポリンの上を走るようなものだからだ。

やわやわな地面の上は走りにくい。バランスを取るのにひと苦労だ。

早く走ろうと思ったら固めの地面の方が走りやすいだろう。それと同じ。

確かにラウンド弦のグリージーな音色も捨て難いものもあるが、「きゅっ、きゅっ」と指先で擦れる音が練習中に気になって仕方がない。

フラットの場合はツルツルなのでそういうことはないしね。

もっとも、この「きゅっ、きゅっ」という音もマーカス・ミラーのようにアンサンブルの中にうまく取り入れれば、それはそれで効果的なのだろうけれど。



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太くて甘い音

奏法やセッティングにも左右されるのだろうが、ラウンドよりフラットの方が太い音がする。

私はジャコのようにカリカリした音色よりも、ジェマーソンのように重心の安定した太いサウンドの方が好きだ。

ジェマーソンもフラット弦をプレシジョンに張っていた。
別に真似をしているワケではないが、私もプレシジョンにフラットを張っている。

太くて甘いサウンドだ。

弾いていてとても気持ちがいい。

ただし、アンプのセッティングには気をつけないと、音の輪郭のハッキリしない、低音というよりは、「低振動」になってしまうので、注意が必要だ。

やたらベースを上げれば良いというものでもなく、ある程度トレブルの成分も残しておかないと、アンサンブルの中でのラインの輪郭がぼやけてしまう。

死んだ弦特有のまったり&コクはたまらないものがあるが、必要最低限の倍音も無いよりは、あったほうが良いと考えている。

力を込めて弾いている

太いフラット弦のモコモコした音色で、存在感のある音色、アンサンブルの中に埋もれることもなく、きちんと主張を出来るベースを弾きたかったので、一音一音を「ハッキリと」弾こうという意識は常にある。

よって、一音の粒立ちに関しては意識せざるをえない。

ピック弾きならば、アタックが強いので、音の立ち上がりも早く、粒立ちもきっちり出せるのだろうけど、私は指弾き専門なので無意識に強いアタックで弾いているようだ。

本当は、強く弾かなくても弦のピッキングの勘ドコロさえ掴めば、軽いフィンガリングでも重低音を出せるはずなのだが、そこらへんはまだ修行不足なのだろう、いまだ一音一音を精魂込めて、というよりは腰に力を入れて弾いている。いずれは、徐々に力が抜けていくのだろうが、まだまだそういう段階ではないのだと思う。

そんな私の指に力を込めた奏法が災いして、先日もスタジオでラウンド弦を張ってあるプレシジョンをレンタルしたが、すぐに弦を切ってしまった。

フレットレスベース

フラット弦は表面がツルツルなので、フレットレスに向いている。

指板が木のフレットレスにラウンド弦を使用すると、ラウンド弦の表面のギザギザが指板を掘ってしまい、溝が出来てしまうのだ。

ジャコのように指板の表面を船体塗装用の塗料で覆ってしまえば、指板を抉らずに済むのだが、私の使用しているフレットレスの指板は、現在伐採禁止のハカランダ。

とてもじゃないが、勿体無くて加工をする気にはならない。

あと、10年、いや20年ぐらいたって、指板が徐々に削れてきたら、改めて考えることにしよう。

憧れはジェマーソン

太くて、モコモコして、甘い音色を出す。

なおかつ、その音色で輪郭をハッキリとさせ、適確に共演者に演奏の進行をナビゲートする。

そして、さり気ない自己主張も忘れない。

そういうベーシストに私はなりたい。

曲を殺さず、自分も目立つ。なおかつ、同じラインをなるべく繰り返さない。

一見相矛盾した願望だが、ジェームス・ジェマーソンがそうだった。

私の目指すべきベーシストはジェマーソンなのかもしれない。

現在、ほとんどのエレキベースを弾いている人はラウンド弦の方が主流だが、私はまだしばらくフラット弦オンリーで通そうと思う。

ほとんどのベーシストがラウンド弦で同じ音を出している間に、私はフラット弦で独自のサウンドを追求することにするか。

記:2000/05/28(from「ベース馬鹿見参!」)

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