アイデア/星野源 - カフェモンマルトル

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ジャズと映画とプラモの日々:高野雲

アイデア/星野源

      2018/09/10

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朝ドラのオープニングソング

永野芽郁が主役のNHKの朝ドラ『半分、青い。』の主題歌《アイデア》を聴いた瞬間、星野源は歌よりサウンドの人だと直感的に感じた。

マリンバの打鍵音をブレンドさせた「♪ファーソファドーファ」が2度繰り返されるちょっと稚拙なリフ。

そして、歌の第一声の「♪おはよう」のバックで連打されるリズムマシン。
ミキシングの関係であまり目立たないけれども、歌の最初のフレーズに、こんなダダダダダダッ!ってしょっぱなからリズムボックスのスネアっぽい音の連打がかぶさっているんですね。

このセンス、わりと尋常ではない。

そしてサビの箇所では不自然ではないけれども、なんとなく不器用な感じで高音部が裏返る歌声。もちろん独特な味わいのある歌声だが、決してうまいシンガーというわけではない。

だからこそ朴訥な味わいを出しているのだが、あくまでヴォーカル単体よりも曲全体、作品全体のムード優先で、「この曲は、自分が歌う必要があるから歌っている」という感じが漂っている。

それは、さながら、「インストの人・坂本龍一」が、時と場合によっては朴訥にヴォーカルも担当し、それが決してうまくはないんだけれども、雄弁、饒舌、訓練されたプロ的な表現力を見せるシンガーには出せない味を出していることに近いのではないかと直感的に感じた。

追記:
その後調べてみたら、高校時代にインストゥルメンタルバンドSAKEROCKを結成し、ギターとマリンバを担当していた記述があった。やはり出発点はインストで、しかもマリンバ奏者であったことも、オープニングのメロディのアレンジに関しても納得!

俳優?

なにしろ、ミュージシャン・星野源のプロフィールはまったく知らなかった私。

唯一の予備知識としては、『箱入り息子の恋』という映画くらい。

情けなくオタクで内向的な「箱入り息子」を演じ、 カエルの鳴き声が上手く、夏帆の父親を演じる大杉漣からは殴られる人というくらいの予備知識しかなかったということもあり、私の星野源の最初のイメージはミュージシャンではなく俳優だった。

細野さん

しかし、これを機会に星野源ってどんなミュージシャンなんだろうという好奇心でAERAが別冊で出していた『星野源 音楽の話をしよう』を読んでみたら、冒頭の対談相手は細野晴臣だった。

あらら、細野さんのことを崇拝、尊敬、私淑しているミュージシャンだったのね、星野源って。

なるほど、なるほど、なるほど。

これですべてが繋がった。

やはり、この人は役割上ではシンガーかもしれないけれども、根っこの部分はミュージシャンだったのね、と。

そう気づいてから毎朝放送される連ドラのオープニングを聴くと、まったく聴こえ方が変わってくる。

朝に流れる音楽なだけに、もちろん爽やかさが前面に押し出されてはいるものの、本質的には「手作り感漂うモゴモゴな感じ」が、余計にいとおしくなってきたのだった。

で、間奏やエンディングのアレンジに興味が湧いてきたので、CDを買って聴こうと思ったら、あらら、残念、まだ発売されていないようで。

今現在は、DVDかブルーレイに収録されているオープニングを聴くしかないのね。

記:2018/07/06


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