カフェモンマルトル

text:高野雲

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5・バイ・モンク・バイ・5/セロニアス・モンク

      2017/05/22

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5 By Monk By 55 By Monk By 5

モンクの代表的レパートリーの5曲を5人で演奏。
だから、『5・バイ・モンク・バイ・5』。

あれ、5人?

カルテットじゃなくて?

そうなんです。このアルバムの目玉は、トランペットのサド・ジョーンズの参加なのです。

テナーサックスのチャーリー・ラウズとレギュラーコンボを構えた後期のモンクは、プレイの内容そのものは大きな変化はないものの、ニュアンスとしては、往年のアグレッシヴな要素が若干薄れ、角が取れたような、まろやかな要素が強くなってきている。

凄みの要素は希薄なものの、暖かく堅実なプレイを信条としたラウズのプレイがもたらした効果が大きいのかもしれない。

このようなサウンドキャラクターを持つカルテットに、穏健でハートウォームなサドが加わったことによって、さらに地味だが滋味溢れる“ほんわか感”が加味された。

選ばれたモンクのレパートリーも、二人のホーンプレイヤーの特質にぴたりとマッチした親しみやすい曲ばかり。

グリフィンと火花を散らす『ファイヴ・スポット』でのライブのときのようなアグレッシヴなモンクが好きな私でも、この小傑作ともいえる穏健なモンクも悪くないと思っている。

もっとも、たてつづけに3回続く《プレイド・トワイス》には、ちょこっと退屈してしまうが。

微妙な差異の聴き比べもしてみたが、残念ながら特筆すべき大きな違いというのはないのよね。

ベストは《アスク・ミー・ナウ》か。

全編、ミディアムか、ミディアム・スロウのテンポが続く中、このしみじみとした不思議なバラードで締めくくられる構成は、悪くない。

また、サドの艶やかなコルネットが聴きものな《ストレート・ノー・チェイサー》も良い。

「このテンポ、少しかったるいかな?」と最初は思ったものだが、サドのソロが登場すると、そんな思いも180度変わる。このテンポだからこそ、良かったのだ。サドが放つ輝かしいばかりの金色のトーンは、アップテンポだとじっくり味わえない。

『ファイヴ・バイ・モンク・バイ・ファイヴ』は、モンクのアルバムの中では、もっとも地味な部類に位置するサウンドには違いないが、地味ゆえの滋味溢れる内容なことも確か。

『ブリリアント・コーナーズ』『セロニアス・モンク・トリオ』『セロニアス・ヒムセルフ』『ミステリオーソ』など、モンクの代表作を一巡した後は、是非、この境地にたどり着いて欲しい。

記:2006/10/14

album data

5 BY MONK BY 5 (Riverside)
- Thelonious Monk

1.Jackie-Ing
2.Straight,No Chaser
3.Played Twice (take 3)
4.Played Twice (take 1)
5.Played Twice (take 2)
6.I Mean You
7.Ask Me Now

Thelonious Monk (p)
Thad Jones (cor)
Charlie Rouse (ts)
Sam Jones (b)
Art Taylor (ds)

1959/06/01-02

 - ジャズ , ,