カフェモンマルトル

ジャズと映画とプラモの日々:高野雲

セヴン・スタンダーズ・アンド・ア・ブルース/アーニー・ヘンリー

      2018/10/05

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Seven Standards And A Blues

『ブリリアント・コーナーズ』の「あの人」

アーニー・ヘンリー。
アルトサックス奏者。

ちょっとジャズに詳しい人なら、「ああ、セロニアス・モンクの『ブリリアント・コーナーズ』で印象的なプレイをしていた人だよね」となることでしょう。

しかし、その後の会話が続かない(苦笑)。

「アーニー・ヘンリーが好きで好きで」というジャズファンには、ついぞお目にかかったことがありません。

ま、私も彼のリーダー作、2枚しか持っていないので、あまり人のことを言えないのですが……(ちなみに彼は生涯3枚しかリーダー作を出していません)。

ただ、彼のリーダー作を聴いていると、モンクのアルバムでの「怪演」とはちょっと違う、なんというか比較的ストレートなアルトを吹く人なんだということが分かります。

『ブリリアント・コーナーズ』では、モンクの個性に寄り添ったプレイをしていたのかもしれません。

いや、そうじゃないな。

モンクが出した難解なクイズの答えを一生懸命模索している過程が、思いもよらぬ好演になってしまったというほうが正解かもしれませんね。

特に彼のリーダー作の『セヴン・スタンダーズ・アンド・ア・ブルース』は、取り上げる題材が題材なので、あまり原曲をコネクリ回すような表現をしていない。

だからこそ、なのですが、ストレートな吹奏の端々から滲み出る個性が、人によって好き嫌いは分かれるでしょうが、いかにもアーニー・ヘンリー!と思わせるニュアンスがたっぷりなのです。

最初は凡庸なアルト吹きだなぁと思ったものですが、なんというか、特にロングトーンで露わになる彼の音色の微妙なヘタレっぷりが、奇妙にいとおしく感じてしまう今日この頃なのでした。

もっとも、「ヘタレ」などと書くと、マイナスなイメージになってしまいますが、この個性、決して悪くはありません。

少しネチっこさもともなった音の存在感、これがあったからこそ、『ブリリアント~』では、ロリンズをも食いかねないほどの快プレイを成し遂げることが出来たのだと思います。

ピアノがウイントン・ケリー、ドラムスがフィリー・ジョーのワンホーン作品。

聴きやすいですよ。

記:2012/05/20

album data

SEVEN STANDARDS AND A BLUES (Riverside)
- Earnie Hennry

1.I Get A Kick Out Of You
2.My Ideal
3.I've Got The World On A String
4.Sweet Lorraine
5.Soon
6.Lover Man
7.Specific Gravity
8.Like Someone In Love

Ernie Henry (as)
Wynton Kelly (p)
Wilbur Ware (b)
Philly Joe Jones (ds)

1957/09/30

 - ジャズ