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ジャズと映画と本の日々:高野雲

アニタ・シングス・ザ・モスト/アニタ・オデイ

      2017/05/23

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アニタ・シングス・ザ・モストAnita Sings The Most

黒人シンガー、たとえばサラ・ヴォーンのような歌手の歌声は、喉の奥で納豆が糸を引いているんじゃないかと思うほどの粘り気と重量感がある。

節回しや、フレーズの繋がりのネバッとした独特なフィーリングは、ジャズの魅力が凝縮されているように感じられる。

ところが、サラとは声も歌い方も対極に位置する、白人ヴォーカル、アニタ・オデイの歌にも、ジャズ独特のフィーリングを強烈に感じることが出来る。

このアルバムでは、ジャズではお馴染みなスタンダードをスイング感たっぷりに歌いまくるアニタを存分に楽しむことが出来る。

センスの良い伴奏を務めるオスカー・ピーターソン以下のリズムセクションも、ピッタリと息の合ったまとまり。

溌剌としたリズム隊をバックに、独特なハスキーボイスと、抜群のリズム感を誇るアニタのヴォーカルは絶好調。

一言、かっこいい!

映画『真夏の夜のジャズ』にもアニタが白昼堂々と屋外で歌い、観客を魅了してゆくシーンがあるので、興味のある方には、是非一度ご覧になることをオススメしたい。

私は、この映像を観て、一発で虜になったクチ。

映像を観てから、再び『シングズ・ザ・モスト』を聴けば、アニタの華奢な身体から発散される姉御(アネゴ)のカンロクたっぷりのオーラをよりいっそう肌身に感じながら、彼女の歌声に身をゆだねることが出来ると思う。

なにはともあれ、傑作、傑作。すばらしいアルバムだ。

記:2009/05/07

album data

ANITA SINGS THE MOST (Verve)
- Anita O'day

1.'S Wonderful~They Can't Take That Away From Me
2.Tenderly
3.Old Devil Moon
4.Love Me Or Leave Me
5.We'll Be Together Again
6.Stella By Starlight
7.Taking A Chance On Love
8.Them There Eyes
9.I've Got The World On A String
10.You Turned The Tables On Me
11.Bewitched

Anita O'day (vo)
Oscar Peterson (p)
Herb Ellis (g)
Ray Brown (b)
Milt Holland (ds)
John Poole (ds)

1956/05月

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