カフェモンマルトル

text:高野雲

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チェット・ベイカー・アンド・クルー/チェット・ベイカー

      2017/05/22

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チェット・ベイカー&クルーChet Baker & Crew

チェット・ベイカーの作品って、「本気で歌ってる?」「本気で吹いている?」というプレイも時にはあったりする。

しかし、実力の半分の力でトランペットを吹いても、あるいは歌を歌っても、多くのリスナーを虜にしてしまう魅力があることも確かで、きっと本人もそれは自覚していたのかもしれない。

しかし、このアルバムは別。

本気の一本勝負。珍しく(?)やる気になってます。

歌は無し。

ラッパ一本での直球ストレート勝負。

ほわ~と、行き先のわからないような晩年のラッパとは対照的に、力強い音を放っている。

快活に疾走するリズムも心地よく、とくにアート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ加入前のボビー・ティモンズのピアノが注目に値する。

メッセンジャーズで“ド・ファンキー”な役割を演じた立役者も、じつは、求められる役柄によって“ファンキー濃度”の匙加減を微妙にコントロールできる人だったんだな、と。

我々がメッセンジャーズからイメージするティモンズよりも、粘りの成分が3~4割ほど薄れており、ゴリン!と力強い打鍵が耳をひきつける。

ティモンズのこのテイストも悪くない。

記:2007/04/09

album data

CHET BAKER & CREW (Pacific Jazz)
- Chet Baker

1.To Mickey's Memory
2.Slightly Above Moderate
3.Halema
4.Revelation
5.Something For Liza
6.Lucius Lu
7.Worrying The Life Out Of Me
8.Medium Rock

Chet Baker (tp)
Phil Urso (ts)
Bobby Timons (p)
Jimmy Bond (b)
Peter Littman (ds)
Bill Loughbrough (chromatic tympani)

1956/07/24,25,31

 - ジャズ , ,