カフェモンマルトル

text:高野雲

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ブルー・ヘイズ/マイルス・デイヴィス

      2017/05/21

ブルー・ヘイズブルー・ヘイズ

『ウォーキン』に未収録ナンバーも収録

1953年から翌54年までの1年間の間の3回のセッションがまとめられた『ブルー・ヘイズ』。

1953年といえば、名盤『ウォーキン』が録音された時期だが、まさにこの『ウォーキン』に収録されなかった「おこぼれナンバー」の《アイル・リメンバー・エイプリル》が収録されている。

>>ウォーキン/マイルス・デイヴィス

ほかのナンバーは、2回にわたるセッションだが、それぞれの日程がブルーノートに録音していた時期と近接している。

だから、ブルーノートのマイルスが好きな人にとっては(まさに私のことだけど)、この時期にしか感じられない独特なマイルドテイストのマイルスを存分に味わえる「たまらん!」内容なのだ。



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安定!パーシー・ヒースのベース

3回のセッションゆえ、サイドメンの入れ替わりが激しいが(なんとベースのミンガスがピアノで参加している演奏もある)、それでも一本筋の通った統一感が感じられるのは、全曲マイルスのワンホーンというフォーマットだということもさることながら、ベースだけは一貫してパーシー・ヒースということも大きいだろう。

パーシー・ヒースの暖かいトーンで奏でられる安定したベースワークがあるからこそ、ドラムスもピアノも3人ずつ入れ替わっても、アルバム全体を貫くトーンに大きなブレがないのだと感じる。

もっとも、そのことが悪くいえばハプニングやスリルの希薄さにも多少繋がっていることは否めないが、クオリティ高く、最後まで安心してじっくりと楽しめるアルバムであることは確か。

マイルスのじっくり考えながら歌っているトランペットを堪能するには最適な1枚といえるだろう。

地味なジャケットでなければ、もっと人気盤になっていたに違いない。

記:2012/10/26

album data

BLUE HAZE (Prestige)
- Miles Davis

1.I'll Remember April
2.Four
3.Old Devil Moon
4.Smooch
5.Blue Haze
6.When Lights Are Low
7.Tune-Up
8.Miles Ahead

Miles Davis (tp)
Dave Schildkraut (as) #1
Horace Silver (p) #1,2,3,5
Charles Mingus (p) #4
John Lewis (p) #6,7,8
Percy Heath (b)
Kenny Clark (ds) #1
Art Blakey (ds) #2,3,5
Max Roach (ds) #4,6,7,8

1953/05/19 #4,6,7,8
1954/03/10 #2,3,5
1954/04/03 #1

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