ヒア・カムズ・ルイ・スミス/ルイ・スミス

      2017/06/03

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ヒア・カムズ・ルイ・スミスHere Comes Louis Smith

心温まるトランペット

「ジャズっていいよなぁ、4ビート最高!」

そう心から思えるアルバムって、この『ヒア・カムズ・ルイ・スミス』のような、いわゆる世間的な名盤ではないんだけれども、良質かつ良心的な演奏が封じ込められている「地味盤」から感じることが多い。

1曲目の《ブラウニーに捧ぐ》の冒頭。

トランペットとドラムのデュオの箇所を聴いただけで、私のなかの「ジャズ好きハート」の目頭が、ウルウルと涙いっぱいになってしまうのだ。

なんと心温まるトランペットを吹く人なんだろう。
こういうジャズマンと友達になりたい、なんてことまで考えてしまう自分がいる。



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暖かな先生ジャズ

この『ヒア・カムズ』のレーベルはブルーノートではあるが、元の音源はトランジション・レコードのもの。

しかし、このレコード会社倒産しちゃったんだよね。

だから、ブルーノートが買いとって発売したというわけ。

もとより、ブルーノートのオーナー、アルフレッド・ライオンはルイ・スミスのトランペットに注目していたということもある。

私も彼のラッパ、本当に大好きです。

どういうラッパというと、ジャケットの笑顔を見てください。

人なつっこそうな笑顔でしょ、彼。

まさに、彼の人柄が音に乗り移っているというか、ほのぼのと親しみやすいトランペットを吹くんだよね。

聴いているうちに日向ぼっこをしたくなるジャズという分類が個人的にはあるのですが、コレがまさにそれなのです。

さらに、学校の先生もだったということも関係しているのかどうかはわからないけれど、折り目正しいラッパを吹く。

親しみやすく、折り目正しい。

そして、暖かい。

ワンホーンで旋律をいつくしみながら吹く《スターダスト》を聴いてみたまえ。

まさにトランペッター、ルイ・スミスの人生観、人間性が現れているプレイではないだろうか。

知名度の高いトランペッターとはいえないかもしれないが、このような良質な内容のアルバムはもっともっと広く聴かれてほしいと思う。

このアルバムの目玉は、キャノンボール・アダレイが参加していること。

オリジナル盤のほうには、契約の関係か、バックショット・ラ・ファンクという変な名前で参加してますね。

そういえば、キャノンボールも、音楽の先生だったね。

フロントの管は2人とも学校教師。

先生ジャズ。

だからといって偉そうな感じが微塵もただよわせていない。

心優しき先生たちが奏でる素敵な4ビートなのです。

記:2010/03/18

album data

HERE COMES LOUIS SMITH (Blue Note)
- Luis Smith

1.Tribute To Brownie
2.Brill's Blues
3.Ande
4.Star Dust
5.South Side
6.Val's Blues

Louis Smith (tp)
Buckshot La Funke (Canonball Adderley) (as)
Duke Jordan (p) #1,2,5
Tommy Flanagan (p) #3,4,6
Doug Watkins (b)
Art Taylor (ds)

1957/02/04 & 09

 - ジャズ ,

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