カフェモンマルトル

text:高野雲

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ホーン入りよりも、トリオの演奏のほうが良いウイントン・ケリー『ケリー・ブルー』

      2017/05/29

piano

『ケリー・ブルー』、本当の名演は?

なにかとタイトル曲が取りざたされるウイントン・ケリーの《ケリー・ブルー》だが、じつは、このアルバム、管入りの演奏よりも、ピアノトリオで演奏されている曲の出来のほうが圧倒的に良い。

とくに、《朝日のように爽やかに》のケリーのピアノはリズミックで、ほどよくダークなニュアンスを帯びており、フレーズもクサいほどにブルージー。

だから良い。

チェンバースのベースがイントロとバッキング、そしてソロのどこを取り出しても素晴らしいプレイ内容だと思う。

彼のこのプレイを最初から最後まですべてコピーしたら、ベースをやっている人は、相当に4ビートの基礎とテイストを身につけることが出来ると思う。

3人のホーン奏者が不在のピアノトリオの演奏のほうがイイんだけど、全曲ピアノトリオでまとめてしまうと、また違った印象のアルバムになっちゃうんだろうな。

制作者の意図としては、1枚のアルバムを作り上げるにあたっては、「トリオ」+「セクステット」という2通りの切り口で、単調さを避けようとしたのかもしれないですね。

でも、結果的には、トリオのほうが良い。
ま、私に限った話なのかもしれないけど。

記:1999/04/07

収録曲

1. ケリー・ブルー
2. 朝日のようにさわやかに
3. オン・グリーン・ドルフィン・ストリート
4. 柳よ泣いておくれ
5. キープ・イット・ムーヴィング
6. オールド・クローズ
7. ドゥ・ナッシン・ティル・ユー・ヒア・フロム・ミー (ボーナス・トラック)
8. キープ・イット・ムーヴィング (別テイク) (ボーナス・トラック)

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