カフェモンマルトル

text:高野雲

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ライヴ・イン・トーキョー/山中千尋

      2017/06/04

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LIVE IN TOKYO [DVD]LIVE IN TOKYO

山中千尋の小さな手

私は山中千尋のライブに行ったことがない(わりと注目しているピアニストなので、機会があれば行きたいと思っているけど)。

したがって、彼女の手、指先を間近で見たことがない。

もっとも、ライブに行った人でも、至近距離でなkれば、なかなか指先まではツブサに観察は出来ないかもしれないけど。

このライブ映像を観て最初に驚いたこと、そして、結局最後まで目が吸い付いて離れなかったこと、

それは、彼女の手だ。

女性ピアニストというと、おそらく多くの方が、すらりと伸びた細長い指先を想像するかもしれない。

私もその例外ではなく、山中千尋の指もステレオタイプなイメージで、スラリと細長いものだと勝手に想像していた。

しかし、違ったんですねぇ。

スラリというよりは、もってりとしたお団子のような丸っこい手。
ちょっと肉厚な手の平。

そんなことで衝撃を受けるなよ、なんだけれども、私は衝撃を受けた(笑)。



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小さな手から生み出される迫力サウンド

このスリム&スラリとは対極のぽってりとして丸っこい手で(失礼!)、ガンガンと迫力のピアノを鳴らしていたのか!と思うと、驚きの後には感動さえ覚える。

指の形と音楽の価値はまったく無関係なので、だからどうした、ってわけでもないけれども、彼女の手の形、その手から生み出されるサウンドとのギャップを楽しむのも、このライブDVDを鑑賞する1つの楽しみではある。

テンションは高いのだが

で、演奏の出来は?というと、個人的にはイマひとつに感じた。

気張りすぎの演奏に感じた。

とくに前半。
テンションは高いが、ちょっと疲れる。緩急の「緩」の要素があまりないんだよね。
もちろん「急」だけでもイイんだけど、「聴かせる」要素が残念ながら少ない。

今書きながら思い出すのは、和音ガンガン鳴らすシーンばかり。
しかも、あまり綺麗なピアノの響きではなく、なんというか、力技でピアノと格闘しているような印象ばかりがつきまとう。

アイコンタクトと距離

ベースもドラムスも女性。
3人の女性によるピアノトリオという企画が売りのライブだったのだが、ステージの広さも手伝ってか、あまり3人がアイコンタクトをとりながら緊密な一体感を生み出そうという第三者がビジュアル的に見て分かるような箇所が少なくとも映像からは感じられなかった。

なんか、3人とも映像収録をあらかじめ知った上でのヨソ行きの顔で演奏しているように見えてしまうのだ。

……ところが、

実際に、このライブを見に行った人によれば決してそんなことはないという。

彼は東京TUCでこの女性3人ピアノトリオを見たそうだが、それはそれは凄い熱気と盛り上がりようだったという。

あまりにも調子が良いので、アンコールも5回、あれ?7回だったっけ?
とにかくそれぐらいアンコールが沸きおこり、演奏もドラムもベースもどんどん前に出てピアノに仕掛ける演奏で手に汗握る内容だったそうだ。

これは会場の違い?

会場の広さの違い?

東京TUCはアイコンタクトが充分に取れるほど狭い場所だが、このDVDが収録されたコンサート会場では、ベース、ドラム、ピアノの位置には距離がある。

それとも、その日の気持ちのノリの違い?

収録前提にするかしないかで、気持ちのモードがヨソイキになったかなっていないかの違い?

現在、「東京TUC」での「エキサイティングなライブ」を体験した方に
このDVDを貸し出し中。

このDVDにある内容の演奏で盛り上がったのか、それともアンコールだらけの東京TUCでの演奏は、このDVDの内容とはまったく違う内容だったのか。

それは分からないが、やはり演奏者同士の距離、演奏者と観客の距離の違いから生まれる差は大きいと思った。

記:2007/11/19

収録曲

1. アイム・ゴナ・ゴー・フィッシン
2. フォレスト・スター
3. 砂の船
4. テイク・ファイヴ
5. RTG
6. アントニオズ・ジョーク
7. インパルシヴ
8. アウトサイド・バイ・ザ・スウィング
9. イン・ア・メロウ・トーン
10. 縁は異なもの
11. リヴィング・ウィズアウト・フライデイ
12. 八木節 [Bonus track]

 - ジャズ

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