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ジャズと映画とプラモの日々:高野雲

マイルスに迷ったら? 数秒迷って『リラクシン』!

      2018/08/10

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素晴らしいリズムセクション

やっぱり、1956年にマイルスがプレスティッジに録音した「~ing」4部作は素晴らしい。
何が素晴らしいって、当時マイルスが擁していたリズムセクションが素晴らしいのです。

さすが「ザ・リズムセクション」と称えられたことはありますね。

低音でズンズンと迫ってくるポール・チェンバースのウォーキング・ベース。

ハイハットのたった一音ですら濃厚に「ジャズ」を感じさせるフィリー・ジョー・ジョーンズのドラミング。

そして小粋で美しい音色とフレーズのレッド・ガーランドのピアノ。

こんな素晴らしいリズムセクションを擁していた当時のマイルスは、最高に贅沢なジャズコンボのリーダーだったのだと今さらながら思います。

代表作を何か1枚?

数秒迷って『リラクシン』!

でしょ、やっぱり?

他のアルバムとの違い

もちろん同時期に録音された『クッキン』も『ワーキン』も『スティーミン』も同じくらい素晴らしいのです。

というより、同時期というよりも、1956年5月11日に録音された曲と1956年10月26日に録音された曲を4枚のアルバムに分けて収録しただけだから演奏内容自体は、どれもが一定以上の素晴らしいクオリティを誇っていることは言うまでもありません。

あとは、ジャケットの写真やイラストの違いだったり、タイトルの違いだったり、曲の並び方の違いだったりだけなので、作品の「優劣」はつけ難く、あとは「好み」だけの問題ではあるのですが。

では、『リラクシン』と他の3枚のアルバムの大きな違いは何かというと、まずは選曲でしょうか。

最初に聴く人にとっては親しみやすいナンバー、そして曲順が良い。

あと、他の3枚にはない「ある要素」があるんですね。

それは何かというと、曲と曲の合間にスタジオで交わされる会話。

「曲名は(演奏した)後で教えるよ(あるいは、教えてやるぜぃ!)」という短いマイルスのナレーション。

「(ピアノのイントロは)シングルトーン(単音での旋律)ではなく、ブロックコード(和音)でつけてくれ」とレッド・ガーランドに注文をつけるマイルス。

いったん弾き始めたガーランドのピアノを「ピュ~ッ♪」といってストップさせるマイルスの口笛もカッコいい(その吹くタイミングが)。

これらの「曲」や「演奏」とはまったく関係ない要素(つまり会話などね)ですらもジャズになってしまっているところが良いんですね。

う~ん、ジャズを聴いている。
う~ん、ジャズだねぇ。

そう思わせる要素が、ジャズ入門者がジャズに抱く「難しいかもしれないけど、なんかカッコよさそう」なイメージを、さらりと体現しているところが、アルバム『リラクシン』のオイシイところなんですね。

個人的には、まだ未熟な面も垣間見えてしまうコルトレーンのテナーサックスに「あらら?!」と思ってしまう瞬間もあるのですが、それをも含めて「コルトレーンの演奏」としてではなく、「作品全体」として素晴らしいと思っています。

マイルスのアルバムを30枚以上持っている人も、もっとたくさん持っていてマイルスを聴きたいけど、いったいぜんたいどれを聴こうか悩ましいと感じる日がある人。

マイルスに迷ったら、数秒迷って『リラクシン』!

これ、けっこう効きます。

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